第8話 確認
ふむ…あの少女の話を聞くと本来はステータスなんて見れない物らしい。鑑定器具と言う物が無いと見れないという。
では何故俺は何も無しに見れるのか。そう思って彼女に試す様に言ってみた。
「なあ、ステータスって言ってみてくれないか?」
「はぁ?何よ急に…ステータス…やっぱり何も…」
とそこで彼女からの言葉は途絶え何かに対して驚いた様な顔をしている。
「ん?おい、どうし「…はぁ!?何故ステータスボードが見れるの!?」た」
ととても耳に響いて痛みを感じる様な声が大きく放たれた。
「ねぇ!これどう言う事よ!?」
と詰め寄る様にして彼女は聞いてくる。
「いや…俺も知らないけどそう言う物なんじゃ無いのか?」
「そう言う物じゃ無いから言ってるのだけれど…」
俺の返答に呆れた様にして彼女は言ってくる。
「だけどまぁ…この異様な力の原因も何となく分かったわ。」
「お、本当か?教えてくれよ。」
と言うと彼女は快くなのか分からないが教えてくれた。そのスキルの名前は
何故こんな事を知ってるかって?
…誰しもが通る道を少し深く通っただけだよ…
さて…俺の黒歴…過去の事は置いておいてその効果の確認だ。聞いたところ効果は下記の感じらしい。
灼熱天使ウリエル
所有者の扱う炎を激化させる。
所有者の身体能力を強化する。
この二つだけらしい。
俺のスキルと比べると大分性能差があるな。
何故だろうか…
そういえば彼女はどのタイミングでこれを習得したのだろうか。そのタイミングを図る為に色々質問してみた。
その内容は出身地や何故此処にいるのか等々。
そしてその返答は全ておかしな物だった。
曰く出身地は
「出身地?私はケテレフール国出身よ」
曰く何故此処に居たのかは
「此処に居た理由?なんか気づいたら此処に居てそれで取り敢えず建物の中に居ただけよ。そしたらお兄さんが来たって訳」
と言うまあちんぷんかんぷんな返答だった。
まず俺はそんな国を聞いた事も無いし気づいたらって表現もあれだ。
ちょっと怪しい。
本当にこの子大丈夫なのか心配になって来た。
と言うよりももしかしてあれか…?
逆異世界転移って奴か?
それなら納得も行くし色々と筋?も通る。
うんうん。多分そうだろう。
それを確認する為に彼女にはこちらの地名を知っているかを幾つか質問してみた。日本やアメリカ、中国等の国を知っているか。
その結果は彼女は全て知らなかった。
もはや決定的だろう。うん。逆異世界転移だ。
と一人でテンション上げてるとある事に気づいた。
俺はまだ…彼女の名前を知らない。
「なあ、君…そういえば名前は?」
「名前…?そうね。確かに名乗ってなかったわね。私はサヤカ。サヤカ・インカレット。」
サヤカ…意外に日本名っぽい名前の系統なのか?
いやでも苗字が明らかに違うしな。
多分英語と同じ様にファーストネーム、ラストネームって分け方で良いだろう。
「なぁサヤカ。お前これからどうすんだ?」
「うん?そうね…知らない土地を一人巡りってのも楽しそうではあるけど此処に丁度いい案内人がいる事だしついて行くとするわ。それに貴方の反応からすれば私は充分戦力になるでしょう?損はないはずよ。」
「まあ…損は無いが本当に良いのか?こんな奴と一緒で」
「そんなの気にしたって仕方ないと思うわよ?第一此処には私とお兄さん以外に人の気配は感じないもの」
ま、そう考えると当然か。そう考えて俺は歩き出した。
「あ、ちょ、待ちなさいよ。私の案内を疎かにしないで頂戴。」
彼女が焦りながら付いてきた。余談だが走り寄る時の彼女は中々に面白かった。眼福である。
閑話休題。
さて…俺は確か避難所に向かっていた筈である。
そして一つ問題が増えた。この少女の持つ巨大な戦斧である。こんな物間違い無く騒ぎを起こすだろう。
だからこそ俺は彼女にどうにか出来ないかと聞くとまさかの刃が収納されてまるでヌンチャクの様になった。そして彼女は体に巻き付けると側から見れば何も無い様に見える。
多分問題は無い筈だし。
そうして俺らは道中会話を交わしながら歩くと、避難所が見えてきた。
気配察知によるとある程度の人数は居るらしい。
学校自体は結構壊れ気味である。
大方魔物の攻撃された事による損傷だろうか。
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