第6話 避難所への道中
さて…此処から避難所までは結構あるし魔物に遭遇しない事を祈りながら進むとしようか。
…ん?俺はふと立ち止まった。何か感じた事の無い気配を感じたからだ。
まさかゴブリン以外の魔物か?それともまだ気配察知で気配を感じた事が無い人間か…?
どっちにしろ気になるし行ってみるか…。
…あれ?此処コンビニじゃないか。
俺は感じた事無い気配がある場所に来ると呆気に取られた。
見たところドアも壊されてないし中に居るのは人間…か?
あぁ!やべぇ!?流石にこんな格好(黒い鎧に剣を帯刀した姿)じゃ人になんか会えねぇ!?
どうにかしねぇと…
『主殿。御自身のスキルをよく思い出してくだされ』
…え?スキル?んな事言ったってそんなスキルあったっけか?
名前 井為瀬頼一
種族 人間
年齢 28歳
職業 魔物使い
Lv 1
保有SP10p
HP 26/26
MP 6/6
力 18(+21)
耐久 20(+26)
俊敏 18(+19)
魔力 3(+0)
耐魔 2(+12)
スキル一覧
通常スキル
剣術Lv1 体術Lv1 身体強化Lv3 気配察知Lv3
従魔鑑定Lv1 保管空間Lv1
特殊スキル
《継承》
固有スキル
《魔物使い》
これが今の俺のステータスだが…それっぽいのは…保管空間って奴…か?
保管空間ねぇ…これにシュバルツを入れるのか?
えーと…取り敢えず試してみるか。
「保管!《シュバルツ》」
するとシュバルツが盛大に光出して消えた。
もう一度言う、盛大に、だ。
当然そんな光が突然発生するとコンビニの中に居る人なんかも出てくるだろう。
「ちょ!?何よ!?この光!」
そんな大声を出しながら出てくる黒髪の少女。
それだけならば俺も普通の光景だと思っただろう。
何故普通じゃ無いって?そりゃあ…なんか赤というよりも紅と言った感じの両刃の戦斧を背負っていたからだ。ビックリするのは此方側である。
だが向こうもビックリしている。取り敢えず俺もシュバルツの剣だけでも出しておくべきだろうか。
「で…あの光の原因はお兄さん?」
黒髪の少女が俺に問いかけて来る。
「ま…まぁ…そうなる…のか?」
俺は正直に情報を話すよりも多少曖昧に返答しておいた方が良いだろうと判断して曖昧な返事をした。
「はぁ…歯切れの悪い回答ね…何があってあんな光を?」
と黒髪の少女がため息を吐きながらまた問いかけてくる。
が、今度は先程とは違いその紅い斧を向けて話しかけて来ている。
「えぇと…実は…その…」
と歯切れの悪く、曖昧に返答を延ばしてると名案を閃いた。
「そう!これだよ!これの光!」
と俺はポッケに突っ込んでいたある物を取り出した。
そう、スマホだ。スマホの懐中電灯の機能を使って光を出したのだ。
「ふん…まあ良いわ。で、貴方は此処で何をしてるのかしら?」
「あぁ…ほら、此処コンビニだろ?だから食料でも無いかなぁと…思ってね」
「…?こんびに…?」
…は?え?この子コンビニも知らないのか?
このご時世かなり珍しいぞ?コンビニを知らないなんて…かなりの田舎に住んでた子か?
「…ん…?もしかしてお前…コンビニを知らないのか?」
「ええ…そのこんびに…?って何かしら?」
いやマジか…このご時世便利なコンビニを知らない子が居るとは…
「あぁ、コンビニってのは色々な物が売ってて基本24時間一日中営業してる凄い店…って感じか?」
「へぇ…此処ってそんな便利な場所だったのね…でもその割には人がいない様だけれど」
「まぁ…そりゃなんか変なのが沢山居るからな。みんなパニックに陥ってんのさ」
「変なの…?はぁ?もしかしてゴブリンの事を言ってんじゃ無いわよね?」
…ん?ゴブリン?彼奴ゴブリンで合ってたのか。
て違う!そこじゃねぇ!何故こんな少女がゴブリンの名前について知ってるんだよ!?
「あぁ、多分…ゴブリン…だぞ?」
すると黒髪の少女は前髪をクシャクシャと掻いて言った。
「はぁ…あんたらはこんな雑魚にすら勝てないの?それとそれとも勝てるのに戦わない臆病者なのかしら?」
「はぁ!?違うわボケ!…いやまぁ俺以外の奴は知らんが…少なくとも俺は勝てるわ!」
と大声をあげてツッコむ。
「いや…あの…ゴブリン如きを倒せる程度で威張られても困るのだけれど…」
すると困った様な反応が返ってきた。
だがそれよりも重要な事があった。
ゴブリン"如き"…?
て事はゴブリン以上の奴も居るのか…?
あんな大量に…?
シュバルツサポートがあってもあれ以上の奴に勝てるのか?
これから先本当に生きて行けるのか?
そんな不安が俺の中を駆け巡った。
すると少女が何か心配そうに声を掛けてくる。
「あの…大丈夫…かしら?」
「あ、あぁ…大丈夫だ…ははっ…あはははっ」
と乾いた笑い声をあげて返答した後に
「なぁ…ゴブリン如きって…ゴブリン以上の奴が居るって事なのか…?」
「はぁ?何当たり前の事言ってるのよ。ゴブリンは魔物の中でも最底辺に当たる魔物よ?それ以上のがゴロゴロ居るなんて当然じゃ無い。」
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