第2話 世界の改変

ふぁ〜ぁ…眠っ…

俺はあの後家に帰宅してからすぐに眠った。

何故かって?あんな夢みたいな幻覚を見たんだ。

すぐに休眠を取るものだろう。幸いしにても今日は休み。気分転換の散歩にでも行くかと朝飯を食っている



≪世界の進化しました≫

という昨日の無機質な声が響いた、その瞬間俺は反射でリビングアーマーの事を思い出していた。

そしてその時はこの声についてあまり気にしていなかったのだが数分経つと外から悲鳴やら奇声が聞こえてくる。何事かと外に出てみるとなんか緑色の小人…俗に言うならゴブリンか?

まあゴブリンの様なのが居た

…え?ゴブリン?何故?此処は夢?…痛っ…きちんと痛いし…今の痛みで冷静になった俺は周りを観察して見ることにした。周りには…緑色の小人、通称ゴブリンに襲われているお隣さん。



「え?襲われてる?これってもう一体来たらやばくね?」

そう思い逃げようとすると背後からグギャアグギャとまあなんか人では絶対に出さない様な声が聞こえる訳ですよ。そして後ろを振り向くと案の定、ゴブリンが居ました。…えぇぇぇえぇえ!?



「ぎゃぁぁぁぁあ!?」

そう奇声を上げて叫ぶとゴブリンは愉悦に浸っているのか笑いながら此方を見下す様に見てくる。

その隙をついて逃げようとするもののゴブリンは油断なくその辺に落ちてた小石を拾い逃げる自分の背中に当ててくる。

その小石のぶつかる衝撃に俺は前に転倒してしまう。

ゴブリンは近づいて手を振り上げ、俺に向かって振り下ろしてくる。



俺は思わず身を守る様に手を上に出し目を瞑った。

すると殴られてくると身を備えていた衝撃がいつまで経ってもも来ず、え?と思って目を開けるとそこには昨日の動く鎧…リビングアーマーが左手の盾でゴブリンの拳を防ぎ、俺を庇うかの様に立っていた。

…ん?どゆこと?…と思考停止しかねない俺をさしおき状況は進展していた。 


リビングアーマーが右手で剣を抜きゴブリンを刺していたのだ。そして引き抜きゴブリンは大量の血を流しながら倒れた。

俺はゴブリンが居なくなり安堵するがそれも束の間、ゴブリンの死体を見て何か気持ち悪さが込み上げてくる。


案の定、俺は死体を見て嘔吐した。それはまあ盛大に嘔吐した。

朝食が全て出てきた様で口の中に朝食の風味が若干残っているが何よりも口の中が酸っぱい。

とても酸っぱい。そこで俺の背中をさする存在に気づく。



リビングアーマーがいつのまにか近づき背中をさすってくれていたのだ。

そして呆然としているとまた



≪魔物【リビングアーマー】が従えられたいようです≫

≪YES or NO≫

と昨日と全く同じ選択肢が出てきた。

そうするとリビングアーマーが見つめて来る

(見つめると言っても兜が自分を見ているだけなのが)

その姿を見て俺の手は自然と昨日とは反対のYESに伸びていく。そしてYESを選択すると

≪リビングアーマーを従えました≫

≪初めて魔物を従えた者が出現しました≫

≪対象に特殊スキル《継承》を付与しました≫

≪従えたリビングアーマーに名前をつけてください≫

と色々連続で聞こえて来た。

えーと…昨日もスキルとかなんとか言ってたな…なんだっけ…魔物使い…だったか?

まあ良いか。



取り敢えず今は名前を考えよう。

ふむ。動く鎧に名前か…よし、決めた。

「お前の名前は今日からシュバルツだ!」

≪リビングアーマーの名前が【シュバルツ】に決定されました≫

≪正式な契りを結びました≫



と名前が決定されたのと正式な契り?

なんだそれとか思っているとシュバルツの手の甲と自分の手の甲に何か盾の様なマークが浮き出て来た。

これが正式な契りとやらを結んだ証だろうか。

と色々考えているとシュバルツがとんとん、と肩を叩いて来た。



「ん?なんだ?シュバルツ」

と返答してやると

身振り手振りで何かを示して来る。


「…ん?えーと…何かを…着る?」


そのジェスチャーは何かを着ている様なものだった。

だがその着方は普通の服とは違う様なジェスチャーだった。


「んー…?あ、鎧…か?」


と返答してやるとブンブンと兜を上下に振り始めた。

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