世界が大混乱なので魔物達とほのぼのして行こうと思います。
依神ねたゆ
第1話 世界の変化
«世界が進化しました»
その無機質な声は唐突にそう告げた。
その声は俺らの日常は終わりを告げると同時に敵達の到来を告げるものであった…
「お疲れ様でしたー…」
そんなくたびれた声で退社しているあまりパットしないサラリーマンの俺こと井為瀬頼一(いなせよりかず)28歳はいつも通りに帰路に着く。
いつもと変わらない道路。いつもと変わらない信号機、いつもと変わらない片腕を失っている動く鎧…ん?
鎧?…動く鎧?…えぇぇぇぇ!?
何故に鎧が動く!?片腕無いから中に人が居ないのは分かる。
だからこそ聞こう。何故に鎧が動く!?
パニックに陥っている走り出そうとしていると視界のはしっこに何か光る物が映る。
それがあの動く鎧の無くなっている片腕だと認識するのにそんなに時間はかからなかった。
俺は気づいた時には最初に走り出そうとした方向から向きを変え、その手…籠手?の方に走り出していた。
その籠手が手に取れる場所に着き、籠手を手に取る。
するとあの鎧が
「欲しい、くれ」
と言っているかの様に手を伸ばして来たので俺は反射的に自衛する為に籠手を鎧に投げつけた。
その行動は鎧にとっては渡されたと認識したらしく喜んだ様に飛び跳ねながら籠手を右手の方に嵌めていた
すると頭の中に
≪魔物【リビングアーマー】に懐かれました≫
≪世界初の魔物に懐かれた者を確認しました≫
≪対象に固有スキル《魔物使い》を付与しました≫
というよく分からない声が聞こえて来た。
え?え?え?と困惑していると
≪魔物【リビングアーマー】が従えられたい様です≫
≪YES or NO≫
こんな選択肢が出て来た。
…え?なんだよこれぇぇぇ!?ファンタジー!?
ファンタジー小説ですかねぇ!?
…勿論NOっと…すると動く鎧…幻聴らしきものによればリビングアーマー…だっけか?
仲間になる事を拒否られたリビングアーマーは哀愁を漂わせながらとぼとぼとどこかに去っていた。
そうして場に残ったのは呆然と立ち尽くしている俺一人。すぐに我に帰りハッとなる俺。
先程までの事は嘘の様な静けさなので夢だと思う事にし、そのまま歩き出した。
その頭からは先程の動く鎧…リビングアーマーの姿がこびりついて離れなかったのだが…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます