第7話 敵襲

 ウーーー!!ウーーー!!


〈エリアBに敵の襲来!!護衛隊は直ちに出動せよ!!〉


〈説明している暇はありません!着いてきてくださいツバサさん!〉


 ちょ、待ってくれよ、こんな早く出番来ちゃうの?!


 俺だけ生身で走っていくと、基地の外に出た。


 青い空、生い茂る木々、


 賑わう街並み―――


 そんなものはあるはずもなかった。


 そこに広がっていたのは、灰色の世界。


 改めて思い知らされた。これが、人類の未来なのだと…


「ガァァァァン!!」


〈ツバサさん!こちらへ!〉


 既に戦闘が始まっていた。


「これは…」


 一回り小さいが、灰色のパワードスーツ。


 ざっと見ても百機は超える大軍が押し寄せていた。


〈あれは、「座天使スローンズ」!!〉


 えぇー!?敵さんいきなりこんなに来たの?!


〈押し返すしかありません、ツバサさん!〉


 いやまだ心の準備が…


〈初陣、期待していますよ!!〉


 そう言って薔薇ローズ副隊長は敵陣に乗り込んでいってしまった。


 あの、俺生身だし、硬い棒1本しか持ってないんですが…


〈ぐあぁぁぁぁ!!〉


 護衛隊が押されている!?


 それもそのはず。素人目にも分かる数の差。


 敵100余りに対し、こちらは僅か20人弱。


 行くしかないか!!


 敵陣に向かう俺は、意外にも冷静だった。


 面は打たない。面は打たない。面は打たない。


 頭部めり込みがかなりトラウマになっていた。


〈ぐっ、!くそおおぉぉぉ!!〉


「小手ぇ!!」


「ガキィィン!」


〈自立歩行!古代人か、助かった!〉


 自立歩行で判別してるん??


〈あんたにとっては初陣だな!暴れてくれよォ!!〉


 そう言われても、先程の一撃でわかった。


 いくら小手で腕を壊しても、相手を倒すことは出来ない。


 つまり俺がいても余り役には立たないかもしれないのだ。


「ガシャァァン」


 うわ危なっ?!スレスレを敵機が倒れていった。


〈何故あの攻撃をしないんですかツバサさん!!〉


 副隊長…!


 だってあれじゃ中の人が…


〈「座天使」の小型スーツは無人ですよ!!〉


「メコォォォオ!!」「メコォォォオ!!」「メコォォォオ!!」


〈え……〉


 来いやボロ機械どもおぉ!!!


 メッコメコにしてやんよぉ!!!


 オラオラオラァ!!


「メコォォォオ!!」「メコォォォオ!!」


 はぁ、はぁ、


 ヤバい俺体力も中の下なんだった…


 敵機はまだ数十機も残っていた。


「ドゴォォォォォン!!!」


 ?!


 一瞬にして敵の残党が吹き飛んだ。


〈オイオイ、誰が俺並みだってぇ?!〉

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