第6話 ごめんなさい
また訓練所に戻ってきた。
さっきよりうるさいヤツが居なくなって静かになったのかとも思ったが、みな休憩中らしい。
〈おい見ろよ、自立歩行してるぞ…〉
〈本当だ、あれが噂の古代人か…〉
普通に歩いているだけでも噂になってしまうようだ。
悪い気はしないぞ…。
〈何をボーッとしているのですかツバサさん。あなたは訓練です。こちらへ。〉
相変わらず可愛げ無いなぁ。
ついて行くと、目の前に傷だらけのパワードスーツが立っていた。
〈これは故障し使えなくなった物を訓練用に置いています。もちろん無人ですので、まずはこれにあなたの攻撃を打ち込んでみてください。〉
なるほど。まずは実力を測るってわけか。
すると先程のものよりもしっかりとした剣が渡された。
〈では、見せてください。〉
まぁまずは剣道でもやってきた基本の面を打ってみるか。また剣折れないだろうな…
「面!!!」
「ザンッッッッッ!!!!!」
「ガシャァァァァァァアン!!!」
〈〈〈……………〉〉〉
「あの………」
〈あ、ツバサさん。今後は刃の着いていない武器を使いましょうか…〉
「ええそうさせてください。」
面を打ち込んだスーツは真っ二つになった。
対人じゃなくてよかったぁぁぁぁぁぁ!!
〈つ、次はこの棒でもう一度お願いします。〉
新たなスーツが準備され、新たな硬い棒を渡された。
そうだ、スーツめちゃ脆いんだった…
次は少し力も加減して打とう。
「面!!」
「メコォォォオ!!」
〈〈〈…………〉〉〉
「ごめんなさぁぁぁぁぁい!!!」
スーツの頭部が胴の中に完全にめり込んでしまった。
対人じゃなくてよかったぁぁぁ!!(Part2)
人とやる時は面は絶対に打たないと誓った。
〈ツバサさん、実力は十分にわかりました…戦闘面ではお教えすることは無さそうですね…〉
現代でなんの取り柄もなかった俺がこんなに目立ってしまうととても恥ずかしい。しかもただの面打ちで…
〈おい、見間違いじゃ、ないよな…〉
〈今まで俺たち、なにしてきたんだろう、〉
〈古代人てのはみんなあんなに強いのかよ…〉
すみませえぇぇぇん!!現代ではこれでも中の下なんです!!俺なんかたいしたことないんですよおおおお!!!
〈ツバサさん、あなたは確実に隊長並、いやそれ以上の戦力となり得ます。頼りにしてますよ。〉
恥ずかしいからやめてぇぇー!!
〈ではこれから護衛隊のメンバーの紹介をしていきま〉
ウーーー!!ウーーー!!
〈これは!?〉
突然けたたましいサイレンが響いた。
〈敵襲!!敵襲!!これは訓練ではない!繰り返す!これは訓練ではない!〉
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