第5話 キラキラネーム
ん……
痛っ、!!
「オイオイ、イツマデネテンダヨ!」
そうか、俺こいつに殴られ…
声ちっさ!!!え、なんか右手包帯巻いてるし、さっきの奴と全然違くないか??
〈やっと気がついたかツバサ君。〉
ハカセ、どうなってるんだ?
〈君は殴られ気を失い、彼は君を殴った衝撃で右手を骨折したようじゃ。まぁすぐ治るがな。〉
「オレノミギストレートヲクラッテ、アタマガノコッテタノハオマエガハジメテダゼ!」
物騒すぎるだろ。てかそれより、このちっちゃい声wどうなってんのハカセw
〈彼は声帯が弱くてな、スーツから発する音量を上げているんじゃ。〉
そうなのか。それも人間が弱くなった部分の一つでもあるのか。
〈そうじゃな。通信技術の発達で、そもそも生の声を出す需要が減っていったことが原因と言われている。〉
今のところ隊長が既にただの面白人間なんだが、大丈夫なのか??
「オイオイ、サッキカラゼンブキイテルカラナ!オボエトケヨオマエ!」
〈彼の戦闘力は戦地に赴けば正真正銘トップクラスじゃ。〉
〈その彼の攻撃を受けてピンピンしている君が異常すぎるのじゃ。君は間違いなく戦地に行くべきじゃの!〉
はめやがったな!!!
〈今後は護衛隊の一員として活動してくれ!〉
嫌だぁぁぁぁぁぁ!!!
〈隊長に代わって副隊長の彼女が君についてくれることになった。今後は一緒に行動してくれ。〉
〈初めましてツバサさん。本当に自立歩行出来るんですね。〉
この声、どこかで…
するとその副隊長がマスクを外した。そこから現れたのは…
アヤカ?!
「私は護衛隊副隊長の
え、護衛隊ってコードネームかなんかで呼びあってるの?みんなこんな雰囲気でいってる感じ?
「失礼ですね。みな本名ですよ。こういった名前を国をあげて主流にしていったのはそれこそあなたが来たという〇百年前くらいからではないですか。」
いや、確かにキラキラネームの人も出てきた時代だけど、国を上げてなんて聞いたこともないぞ。
〈確か君がさっきボソッと言ったアヤカという偉人が主導してその活動を進めていったとか。知っているのかね?〉
いやいやいや、偉人?まさか〜!!
あんなに真面目で優しくて可愛いあいつがそんな活動するわけ!
っていうか声と顔似てるけど、全然可愛げないじゃないかこの副隊長。
「もう元気になりましたね?早く訓練に向かいますよ。戦地に行くまでに最低限のことは叩き込みますので。」
「オイオイ、オレノシンパイハナイノカローズチャーン!」
「ハカセ、虫が飛んでいるようですよ。ツバサさん、ついてきてください。」
は、はい…。
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