「苺樺……あたしたち、もう、うんと輝く女になろう? それで、男子たちなんか誘惑しちゃおうよ。選んじゃおうよ。男なんて、いっぱいいるんだからさ。それに、恋愛だけが人生じゃないよ。やりたいことやって楽しく過ごしてたら、きっといい人に出会えるよ。その方が、なんか格好良いし」
「輝く女……」
「そうだよ。綺麗になって、女磨いて、いつも楽しくしてたら、自然と人が寄ってくるの。中身磨いて、自信つけて、堂々と格好良く生きよう」
「うん。それがいい。そうしたい」
「そうこなくっちゃ。あ、こんな時間……じゃあ、そろそろあたしは戻るけど……」
「うん。ちょっと遅れちゃうかもしれないけど、絶対行くから。みんなにも、そう言っておいてもらってもいい?」
「もちろん。皆で待ってるからね。あ、でも無理しないで。難しかったら、また連絡して」
「わかった。ありがとう」
わたしは、帰っていくかおりちゃんを見送って、よしと気合を入れた。
本当は、まだちょっと怖い。吉田くんを見て、平常心でいられるとは思えない。
それでも、今日逃げてしまえば、もうずっとこのまま逃げ続けていってしまうような気がした。
だから、頑張るって決めたんだ。
「とにかく、準備しなきゃ」
バタバタと支度をする。かおりちゃんの家に辿り着いたのは、パーティーが始まってから三十分が経った頃だった。
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