(81) こんな恋はしたくない

 各国から本作へのレヴューが寄せられているとのことですが、ついにアラビア語の書き込みを発見、とご報告いただきました。

「イスラム圏で同性愛者だったり女性でいわゆるBLコンテンツを楽しむなんてタブーというか、下手したら命がけ」とのことです。

 昨年の五輪でも、同性愛者だち紹介された選手が、「母国で報道されたら命が危険」と、抗議したとか。マイノリティーへの配慮が欠けてますよね、何もわかってない。

 陰湿な差別が蔓延しているくせにLGBTQという言葉を使ってるんだから、それでいいでしょ、と言いたげなニッポン>


 さて、本題です。

 本作を見て、「こんな恋がしてみたい」という方がいます。マジか、と思ってしまいます、こんな辛い、ボロボロに傷つくような恋がしたいなんて理解不能。恋に恋する方なのかなあ、まだ若くて恋愛経験が少ないか、苦しい恋をしたことがないか。ほんわかした恋の経験しかなく、燃えるような恋がしたいのか。私も高校生くらいでは、「傷つけあって終わった恋」の歌を聞いて、傷つけあうなんてことあるのか、と違和感がありましたが、その後、よおくわかりました。

「僕らは血を流しながら それを愛と呼んだ」

 なんて古い歌がありました。恭一と今ヶ瀬も、そんなところがあるような。

「どうしてまた会うんですか、別れたのに」というレヴューを着かけたこともあります。若い、まだ恋愛経験がないか、あっても別れを経験したことがないのか。

 もう別れるしかない、そう決意して相手にもそう告げた後で、やはりあれは間違いだった、やり直したい!

 そんな経験が自分にもありますので、今ヶ瀬がしつこく恭一を追い、そばにおいてと懇願する姿は他人事とは思えません。自分はプライドが邪魔して、やり直したいとは言えなかったs、それらしいそぶりは見せたけど、うまくいきませんでした。今は思い出のひとつですが当時は辛かったです。



「こんな恋はしたくない」というレビューもありましたね。そっちの方が多いのではないかと思っております。恭一、今ヶ瀬ほどではなくても難しい、ややこしい恋愛を経験した方なら、そうでしょう。

 出会って、愛して、ゴールイン。いつまでも波風立たずに幸せに、そんな経過をたどる恋は、どれほどあるのでしょう?

「いつまでたっても恋が愛にならないような今ヶ瀬」と以前、書きましたが。いつまでも恋愛でじたばたしたかった彼に対して、恭一は、「人生にはもっと大事なことがいっぱいある、お互いそういうトシだろ」

 と、落ち着いた愛の暮らしを求めます。

「北京ダックが食べたい」

 あの今ヶ瀬は本当に可愛かった、目がキラキラして、恭一は自分の誕生日を覚えていてくれた、その上、欲しいものを尋ねてくれた、こんな幸せがあるだろうか、結ばれただけでも嬉しいのに。

 ワインのサプライズも嬉しかっただろうけど、ここでもう今ヶ瀬は不安になってますね、次のシーンでは、たまきからのメールが届いてチーズケーキ事件が。

 愉しいだけの時間は続かないが、すったもんだの末、恭一は今ヶ瀬を選んだ。それなのに素直に受け入れれれないのが今ヶ瀬なんだから仕方がないか。

 そう思いながら、何度でも本作を見直してしまう私です。

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