(74)第5の女
4人の女について以前、書きましたが、もう一人、恭一と今ヶ瀬の会話にだけ出てくる女がいますね。
恭一の高校の同級生。
原作では実際に同窓会で会って、関係をもってしまうようですが、映画ではそこまで描く時間はないし、現行のままで十分。
引っ越し祝いに訪れた今ヶ瀬、「連休には温泉に」発言に、恭一は「いいな」と、すっかり油断。知佳子には「旅行でも行こっか」と提案、泣かれてしまいましたね。
今ヶ瀬は、いつの間にか掃除洗濯までしている。掃除機をかけていた時、恭一はベッドで昼寝してたんでしょうね。
高校の同窓会の通知をチェック。さっそく、恭一に行かないように仕向けます。
離婚以降、今ヶ瀬は次々出てくる女たちを蹴散らし、恭一を「振り向かせようと必死」です。
「ちょっと好きだった女がいい感じの人妻になってておいしいこと言われて、コロッとその気になったりするんでしょ」
原作では実際、そうなるわけですし。
今ヶ瀬は、恭一の浮気の芽を摘み取ろうとします。
「同窓会には行かないよ」
と恭一に言わせ、安心し、背中からぎゅっと抱きしめる。二人の関係が一歩進んだ感じ。
会話に出てきただけの第5の女ですが、けっこう存在感があるような。プレゼンでの瑠璃子との再会を挟んだ後、「キスして」「耳かきして」の甘いシーンとなるのです。
どうでもいい話ですが、テレビの15秒スポットでは、最後が「キスして」なんですね。どの程度、どんな時間帯にオンエアされたかは不明ですが、夕食中のお茶の間に流れたりしたら大変、なんて妄想してニヤニヤしたのでした。
次の危機は、瑠璃子と恭一が切れてなかったのがバレたとき、「お前と付き合ってるわけでも何でもない」と言われても、最悪な男だと判っていて、それでも好きなのだと。はっきり言ったわけじゃないけど、恭一は動揺したでしょうね、そこまで自分を好きでいてくれるということに。
結局、恭一が食事に誘い、同居が再開。ポテチや、屋上でのいちゃいちゃとなります。
夏生が敗れ去った後は、「北京ダックが食べたい」幸せのがピーク。あとは見ていて、どんどんて辛くなっていきます。前にも書きましたが、ワインの場面は、もう今ヶ瀬は不安そうで、次の難敵、たまきの影が見え隠れしています。ワインの選択に関わったのは、たまきですしね。
第5の女、つまり同道会で会うはずだった人妻という、実際には出てこない女まで、その影響をきちんと描いている。本当によくできた脚本だと、改めて感心しています。
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