(69)別れ方は大切
ちゃんと別れるから、と今ヶ瀬に言っておきながら、恭一は、瑠璃子の部屋に行きました。
待ち伏せていた今ヶ瀬に、「ここに来たのだって三回だけだし」て。なさけない言い訳、監督はここがお気にいりらしい。
部屋に戻って別れてきたら、とか、メールしろ、との示唆には「そんなことできるかよ」
そして、
「別れ方って大切だと思うけど」
全く説得力がなく、結局、今ヶ瀬と二度目のホテルへ。
直接は描かれませんが、その後、恭一は瑠璃子と別れます。その時期は、今ヶ瀬が出ていってから、タイ料理屋へ呼び出すまでの間、でししょうね。
きちんと別れたからこそ、恭一は今ヶ瀬に電話できたんだと思います。その後、ふたりは親密になっていきます。ポテチを恭一に食べさせたり、屋上ではしゃいだり。
しかし、直後に、夏生が登場。
ベッドインしながら役に立たない恭一。心身ともに夏生を拒絶した、ということですよね。これで夏生は恭一を見限った。
知佳子も恭一に見切りをつけて、交際していた男性を選びます。
ただ一人、恭一が、きちんと別れたのは。たまきですね。
婚約指輪をもらったのが日曜かな、その日の夜には恭一は今ヶ瀬とよりを戻す。ハンバーグを作りにきたのは土曜の午後でしょうか、監督が「数日で’(恭一が)変わってしまった」的発言をしていますから。その翌日、日曜の午前中に別れを告げられる。
束の間に幸せ、恭一は前夜、はっきりと今ヶ瀬を選んだので仕方ないですね。
恭一とい今ヶ瀬も、ラストでは別れてしまったかに見えます。見る者の解釈次第ですが。私は戻ってくると思います。
「たまきの、
「戻ってくるって信じてるんですんね」
は、本作の実質的に最後のセリフです。この後に海でのシーンが挟まれますが、過去のことなので。
今ヶ瀬は必ず戻ってくる。
たまきでさえ、恭一がそう確信していることに気づいた。あれでやっと、あきらめがついた。
帰宅後、一心に灰皿を洗う恭一。
今ヶ瀬が、他の男とベッドインしたけど結局、できない。あの場面も、恭一なしでは今ヶ瀬は生きられない証拠だと思いたいです。
灰皿をテーブルに置き、今ヶ瀬の居場所であるハイチェアに腰かける恭一。
すがすがしい笑顔で、洗い上げた灰皿を見つめる恭一。本当にいいラストです。
冒頭と同じ音楽が流れ、エンドロールとなりますが、画面が切り替わったと同時に今ヶ瀬が玄関チャイムを鳴らす、そうであってほしいと、いつも願っています。
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