(56)それぞれの住宅事情

 些末事ですが、今日は、住宅事情について、少し。

 恭一の自宅マンションは、離婚前は、小ぎれいな内装、インテリア。奥さんの趣味、と監督が言ってたけど、その通りでしょう。恭一は、特にインテリアに興味なさそうでした。

 離婚後、あの部屋はどうなったのか。

 賃貸なら話は簡単ですが、分譲かも、と思ったりします。となると売却が面倒か。

 しかし、離婚物件って、早く処分したいので安く売りに出されると聞きます。

 お互いに、早く決着したいし、なんなら仲介業者に売ってしまえば、あとが楽。



 離婚後。恭一は、何度も出てくる、コンクリート打ちっぱなしの無機質な部屋。離婚して、殺伐とした心にぴったりというか、妻と暮らした部屋とは、対極にあるような。でも家具、家電はおしゃれで、特に照明は。友人が、興味津々でした、ちょうど照明に凝っていたそうで。


 前から聞いてましたが、特典映像で、あの部屋はセットであることが丸わかりで、ちょっと残念でした。どこかに存在していて、恭一と今ヶ瀬が暮らしているんだと思っていたかった。

 監督は、代官山あたりを想定したそうで、家賃は高いだろうけど、高給取りだから、いいのかな。


 ネットで、エロイ、と評された、今ヶ瀬の部屋。お香でも焚いていそう、だと。確かにアジアンテイストあったかも。卒業以来、ずっと住んでます、て感じがしました。

 寝ころんでいたソファ周りも雑然としていて、なんとなく今ヶ瀬にぴったり。


 車があると、駐車場が要りますよね。となると、都心ではなく、やや郊外の、駅から遠くても部屋代安いところに住んでいるのかな、と、勝手に想像。

 同棲していたらしい彼氏は大げんかの末、出ていったのかな。探偵の給料って歩合制らしい。月によってばらつきがあるようですが、高級マンションでもないし、今ヶ瀬は十分払えたでしょうね、車とたばこくらいしか、お金かからないようだし。


 瑠璃子。

 彼女も仕事できそうだし、それなりの部屋に住んでいますね。恭一、今ヶ瀬みたいな個性の強さは感じられませんでした。


 たまきは、母と二人暮らし。

 恭一が訪ねていった二度、どちらもリビングの様子しかわかりません。

 常務が手配し家賃も払っていたのか、だとすると、死後、どうしたのか。

 まあ、母も、パートくらいはしてそうだし、少しは蓄えもあるだろうし。たまきだって社会人なのだから、路頭に迷うことはないと思います。

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