4話 【プールの約束】


夏休みの真ん中になった頃、突然桃からの電話に出た。


「何?課題の範囲?」


「いや違う!!夏休み中にプール行かない?」


「プール?」


「うん。私と颯太くんで行く予定だったんだけど、なんか恥ずかしくなって…愛羅と果歩も誘って楽しく行こうかなって」


「別にいいけど…よく誘えたね」


「頑張ったの!!とりあえず凌央くんに伝えといてね!!私は果歩に電話してくるから!」


突然かかってくると思えば突然きる桃。

あんたね…と言いながらも私はまあいいかと思い凌央くんにプール行かない?とLINEを送った。


数分も経たないうちに帰ってくるLINE。

【いいですよ。】とまぁ、塩ぽい返信だが、行ってくれるそうだよかった。…凌央くんの水着姿…考えただけでだいぶ恥ずかしいし、自分の水着姿も見せるのも恥ずかしい。やっぱ行かない方がいいのかな…


『みんな言いよって!!日付は後で言う!』


どうやらそれはできないようで思わずため息が出た。自分の水着姿は見せたくないけど、向こうのは見たい、そんな複雑な気持ちになりながら私はまだ数枚ある課題に手をつける。


外はセミの大合唱とギラギラひかる太陽が

長い夏はまだ続きそうだと知らせてくれる。


「水着…あったけ?」


これは、大掃除の予感

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る