❻【主要国家】簡単な歴史とエングラシア連合王国
◆歴史概略
▪️シリシス歴以前、混沌の時代
魔ノ王〈魔法使いや魔獣使い。超常的才能や何らかの外的要因により独自に魔法を得た者達〉を君主とした国家や集団が群雄割拠するいわゆる戦国時代。
▪️シリシス歴元年(エングラシア支配圏の元号。渦ノ柱出現年より数える)
渦ノ柱が出現し、地上世界は神(超高次存在)によって造られたものとヒト属が確信を得た年。
*但し、ヒト属は超高次存在を天上の眷族を誤認しています。
▪️シリシス暦〇〇二年
タナトシア大陸発見。同大陸でかつて存在し栄華を誇った古代文明が滅ぼされた痕跡を発見し、ヒト属は天上の眷族の絶対力を知る。
▪️シリシス歴〇一二年
渦ノ柱内第一階層で発見されたホムンクルス錬成式により同生命体を錬成。渦ノ柱の案内役と言えるそれらを得て、魔法の技術体系化(魔法学の誕生)が始まる。
▪️シリシス歴〇一八年
ホムンクルスの予言によって発掘された鬼属結晶と魔法兵器により世界の調停(魔ノ王の討伐)が進む。
▪️シリシス歴二四八年
エングラシア・ローガリアの「十年戦争」終結を以って長い混乱の時代は歴史上収束したとされる。終戦後、ローガリアから全ての植民地域を得たエングラシアが軽工業・農地・労働改革に先んじたことからアーシア大陸南西部の覇権を握ることになる。
▪️シリシス歴三〇一年、作中現在。
***
◆エングラシア連合王国
アーシア大陸西南部を支配する覇権国家。渦ノ柱出現を機に三つの国の統合して誕生した多民族国家でもある。シリシス歴二八〇年頃から立憲君主制に移行している。
統合前は食糧自給も心許ない一島国に過ぎなかったが、諸外国よりいち早くホムンクルス錬成に成功し魔法兵器を手にすることで著しい成長を遂げた。総人口は合計約一千六百万人。
国家元首:ブルフォード朝ウィリアム四世、エングラシア議会下院・首相タウラス・R・ムーグ。議会は地方領主の貴族からなる上院と地方選挙より選ばれた庶民議員の下院で構成される。
主な輸出品は繊維製品、産業機械、鉄道、時計など。
ローガリアの主なエングラシア評「ヒトの格好をした皮肉」。
▪️エングルーヴ
エングラシアの中心国家でエングル人の国。本作の主な舞台である首都リンデルは、ブルフォード王室宮殿を擁する他に多くの産業が密集する人口八十万人超の大都市である。
機械制工場や物流など蒸気機関による繁栄と引き換えに大気汚染が社会問題となりつつあり、外出には防塵マスクと外套が必須となっている。
また政治や経済の中心地でもあるため諸外国人や出稼ぎ労働者の出入りも盛んであり、近年はマスクで顔が見えないことも合間って治安は悪化の一途を辿っている。
▪️アールヴ/ドウェルヴ
それぞれエルフ、ドワーフの国(地方)。エングルーヴ人との交配や食生活の変化からエルフは長い耳、ドワーフは褐色肌以外の肉体的特徴は薄められている。
尚、農業改革はアールヴから、軽工業改革はドウェルヴから始まっている。
*ヒト属とは地上世界に住むヒト型生命体の総称でエルフやドワーフなど亜人種を含みます。
▪️エングラシア支配圏
エングラシア連合王国を擁するエングラリア諸島はコピア海/豊穣の海を挟んでアーシア大陸西海岸に隣接する。陸面積はアーシア大陸比で十分の一にも満たないが、直接統治する植民地は二十、自治領は八で実に地上世界面積の四分の一を支配下に収めている。
作中現在は産業の近代化による繁栄と民主化が進んで議会を無視できなくなったこと、加えて年々鬼属の発掘数が減少している(新たに地方派遣する魔法兵器が必要になるから)ことから、現状以上の支配圏拡大を望んでいない。
本来国称は「エングラリア」とするべきだが、自らを「大陸国家」と誇示するために「エングラシア」と名乗っている。
▪️エングラシアの気候
西岸海洋性気候に属し、暖流と偏西風の恩恵を受けて高緯度の割に温暖。 年間の雨量が多く、一日の天候変化が比較的激しい。
また、偏西風により運ばれた湿った暖かい大気が、アーシア大陸西岸に停滞する冷えた大気と合流する地域にエングラシアが位置するため、他国に比べて霧が発生し易い。
◆エングラシア軍
▪️王立鬼属騎士団〈グールエクイツ〉
その名の通り鬼属および魔法兵器の運用を旨とする国王直属の組織。鬼属と主人および魔法兵器専用の整備兵で構成され、本部は首都リンデルのブルフォード宮殿の南側に隣接する近衛師団庁舎の地下。また収入が少ない新人騎士は庁舎近くの師団宿舎に住まいを借りている。本部も宿舎も鬼属に配慮した結果だが、近衛兵士の目には優遇に映り快く思われない原因の一つになっている。
戦争解決の最終決戦力を担うものの作中現在は世界が安定しているため、普段の主な任務は重大魔法犯罪の解決支援および魔獣駆除となっている。
作中現在で本部付けの騎士は十二組。二十年勤続で引退制度が有り、予備役は二十組ほどが鬼属と共にリンデル郊外に住んでいる。辺境地域や植民地へ赴任は歴十年以上の騎士と定められており、近年では比較的平穏な状況下と大気汚染の無さで人気が高まっている。
▪️王立近衛師団〈プラエトリア〉
鬼属騎士団の上位組織で首都リンデル防衛を旨とする国王直属の精鋭組織。ほぼ貴族の子息で構成され、厳しい入団規定と規律によりエリート意識が高く、鬼属騎士(主人)を妬む者も少なくない。
大抵の貴族は肉体の欠損を嫌うため、子息に鬼属騎士希望者が現れても親が許可しない。
▪️エングラシア連合王国軍
エングルーヴ・アールヴ・ドウェルヴの三つの地方から志願・編成されたエングラシア連合王国の最大かつ主要軍隊。最高指揮官はエングラシア国王ウィリアム四世だが、王立組織と違いエングラシア議会の承認を以って行動許可が降りるので国王単独権限では動かせない。
▪️エングラシア海軍
主に操船および輸送を主任務とする小組織。実働部隊はエングラシア軍が担当し、海軍独自の兵組織はまだ持っていない。
▪️エングラシア警察庁
エングルーヴ・アールヴ・ドウェルヴの三つの地方警察組織を束ねるエングラシア行政機関の一つで所在は首都リンデル。魔法犯罪解決で鬼属騎士団と直接連携する組織でもある。
首都リンデルの警察組織はにエングルーヴ中央警察リンデル署。
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