第3話 ライズ

「タロー様は血液に種類があるのをご存知ですかな?」


ロドリゲフは問いかけた。


「そりゃ知ってますよ。そこら辺に関してはあなた達より詳しいかもしれない…ほら、科学力というかこの世界より色々と進んでそうだし」


太郎がそう答えるとロドリゲフは気にせず話を続ける


「それと同様に魂にも種類があるのです。これを仮にa~zと記号をつけて分類しているのですがタロー様は特別、α(アルファ)の因子を持つお方。」


「アルファ?」


「はい。アルファ因子を持つ者は現在この世界には存在しておりません。」


「それで俺が喚ばれた理由と何の関係が?」


「レベルアップの為です。レベルアップをしないと我々は魔族に勝つ事が出来ず滅ぶのを待つだけなのです。」


意味がわからなかった。


「レベルアップって訓練したりモンスターを倒したりしてするもんじゃないの?」


現代日本で生きてきて様々なロールプレイングゲームをしてきた太郎にとってそれが当たり前の事だと思っていた。



「それで鍛える事が出来るのは身体能力だけです。レベルアップとは魂の神格化。存在自体を進化していかねば悪魔の軍勢と渡り合う事は出来ないのです。」



自分がこの世界に召還された理由は分かった。

自分の存在がどうやら人類を強化し人類の勝利に貢献するらしい。


しかしまだ疑問なのはその方法だ。

自分の様な何の取り柄もない只の高校生がどうやって人類を強化するというのだろうか。


考え込む姿を見てロドリゲフが疑問に応えた。



「タロー様には様々な因子を持つ女性と恋をして結ばれて頂きたい」



なんと?



「しかも只の肉体関係ではない、真実の愛で結ばれるのです!」



良い歳して「真実の愛」とか言っちゃって頭沸いてるのだろうかこの爺


太郎は不安になった。



しかし心配をよそにロドリゲフは更に続けた



「ラブパワーは全開でないと意味がないのです!!!」



ラブパワー



何それ、ゲージでも出てくるのであろうか…



「それで?真実の…で結ばれるとどうなるんだ?」



太郎は恥ずかしくなって口を濁しながら尋ねた。



「タロー様のアルファ因子と女性の持つ因子が結合しハートロックの民のレベルが上がります。これを《ライズ》と言うのです。」


なるほど…原理が全くわからん



「ちなみにどの因子と結合したかは城の礼拝堂にある『ライズ盤』に刻まれていきます


くれぐれも多くの女性と恋をして下され、ふぉっふぉっふぉ」


ロドリゲフは優しく微笑んだ。



説明を聞いて太郎も優しく微笑んだ。



「俺、全くモテないけど大丈夫かな?」



ニコリ

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