第8話大島光義

 状況はつかめんがただこの小童の負傷しているをみると、あいつらが敵だっていうのは長年の経験から儂にはわかる。

「小童。こいつになにをした?」

「それは一騎討ちした結果って奴ですよ」

 槍を持った奴が答えてきた。

「これを一騎討ちじゃと。嘘をいうもんじゃない」

 小童の足には弓がささっていた。

 あいつの手には槍がそしてもう1人の女が弓を持っている。

 間違いなく2人がかりで小童を。

「儂は帰るといったら?」

「帰しませんよ」

 どうやらやるしかないのかのー。


「張飛益徳」

「巴御前」

 2人に名乗られたってことは儂も名乗らなければなるまい。

「大島光義」

「やっぱりそうでしたか。弓の名手にして、現役を90歳まで続けた人」

 槍を持っていた小童が見事に解説してくれた。


 儂の武器は弓のみ。

 対する相手は槍と弓を使ってくる。

 とりあえず距離を…と考えていたら槍を使ってくる奴が勢いよく儂に向かって突進してきた。

 やっぱりそうくるよのー。

 儂は横一閃に振られた槍をかがんで、なんとかかわした。

 小童はそのまま槍を振り下ろした。

 儂は気絶していた小童の近くにあった槍を拾い受け止め弾き返した。

「槍を?」

「練習しといて良かったぞい」


 風切り音がきこえ儂に飛ばした矢を片手で掴んだ。

 これで2本。

 馬があればと思ったら馬が儂の前に現れた。

 儂の昔から乗っている愛馬に乗り先ほど矢を儂に射抜いてきた奴に突っ込んだ。

 

 相手はまた儂に向かって弓を射抜いてきたが、儂はまだ片手で受け止め槍を捨て、相手に向かって矢を射抜いた。

 矢は相手の弓に刺さり、使い物にならなくなった弓を相手は投げ捨てた。

 儂は続け様にもう1本打ち込み相手の肩に刺さり、相手は倒れた。

 馬を旋回させて先ほど槍を持っていた男の方に方向転換させ、馬に乗りながら走った。

 

馬の勢いをそのままに槍を振り相手を吹き飛ばすが致命傷にはいたらない。

 馬上の有利をいかして、もう1度槍を振るって相手の槍を吹き飛ばした。

 好機。

 無防備になった相手に儂はもう1度槍を使って突っ込んだら、片手で馬を持ち上げられそのまま投げ飛ばされた。

 馬から落ち急いで弓を拾い構え矢をを放つと、小童の片腕に刺さったがそんな事をお構いなしにもう一つ生きている腕で儂の顔を殴った。

 儂はそのまま意識がなくなった。


「いててて」

 俺は足から矢を抜くときのあまりの痛さに思わず意識を飛ばしたらしい。

 辺りを見回すと、俺に矢を射抜いてきた女と矢を抜いてくれた年寄りが倒れていた。

 張飛益徳だけが立っている状態だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

伝説のプロファイリング てるた @teruo0310

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ