第2話佐々木小次郎
「佐々木小次郎?」
「あーそうだけど、それにしても身体が……うおー何じゃこりゃあ俺の身体じゃないぞ」
俺は自分の身体を手でペしぺしと触って自分の身体じゃないと確信した。
しかも何だ目の前のこの覆面男は。
いきなり斬りかかってくるんだもんな。
覆面男は床に刺さった刀を抜き斬りかかってきた。
床に落ちていたボールペンを拾い相手の刀を弾こうとしたが、一方的にボールペンだけが真っ二つに切断された。
「ちょたんま。たんま」
手のひらを相手に見せつけて、静止ポーズを取った。
「俺は武器もないのに1人だけ武器ありってずるいんじゃない?」
覆面男はそんな事はお構いなしに襲ってきた。
しょうがない………ここは逃げよう。
図書館の窓ガラスをぶち破り、当てもなく走りだした。
取り合えず武器だ。
武器を探す為に走りながらキョロキョロしていると、程良い武器があった。
俺は布団が干されている、棒を手に取った。
何だ………この手にしっくりと来る感じ。
俺はその棒を持ちいろいろな形で素振りを始めた。
やはりしっくりとくる。
ただ長いな……この棒わ!
ざっと長さが2メートル位ある。
自分の今の身長はざっと160センチ位だから棒が、俺の頭より突き抜けていた。
素振りをしていて覆面男が近付いてきたので、俺は長い棒を持ち走りだした。
砂浜の所まで着くと、ちょうど朝日が昇り初めていた。
覆面男も俺と向かい合わせで静止していた。
思い出すねー。
あの時の事を。
「ハァハァ強ーな」
竹林が生えている所から砂浜がある場所にようやく到達した。
あの二刀流やっかいすぎだろ。
竹林から俺の姿を追ってもう1人の姿が現れた。
「佐々木どこに行ったー?」
「ここだよ」
俺は返事をすると俺の姿を確認するなり、左手で持っている小太刀を振りかざしてきた。
その小太刀を長刀で防ぐと、間髪を入れずに右手で持っていた刀で斬りかかってきた。
上半身だけを後方に下げ何とか回避した。
砂浜に朝日が昇り俺の顔まで明るくなると、お互い見合っていた間合いを一気に詰めて剣を抜いた。
相手の振り下ろされた刀を避けた瞬間、長刀を振り下ろし相手を真っ二つにしようとしたが、後方にバックステップをしてなんなく避けた。
俺の刀はそのままの勢いで長刀は砂浜に刺さったが、手首を返し長刀を切り上げた。
「燕返し」
相手は小太刀でガードをするも、体は空中に浮いた。
その一瞬の出来事である。
俺は体制を立て直そうと、手首の返しを戻そうとした瞬間、相手は空中で体を1回転させて、砂浜に着地すると同時に俺の体に十字で斬りつけた。
『グハ』
俺はそのまま砂浜に後ろから倒れた。
「俺こそは天下無双の
その一言を聞いて俺の意識は完全に消えた。
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