第1話

『本日午後1時20分、マグニチュード6.5の地震が発生しました。震源地は高校のすぐ近くで───』


誰かのスマホからニュースが聞こえる

自分の周りはいつの間にか真っ暗になっていた


『現在土砂崩れが起きていて、救助車両が通れないといった状況です』


あーもう。ニュースうるさいな…


重たい頭を持ち上げて、周りを見てみる

校舎は倒壊していたが、運良くかすり傷で済んだようだ


だが

俺はすぐに異変に気がついた


「な、なんで誰も居ないんだよ…」



辺りに人の影もない

聞こえるのも遠くの方で鳴り響くサイレンの音


そして、自分の周りにだけ円状に瓦礫が入っていない


はっとして俺は走り出した

誰もいない場所に1人だけ居たら何を言われるか分からない

そしてあの眩しい光と地面にうっすら見えた…いや、見えてしまった物が頭から離れない


「ありえない…皆どこ行ったんだよ」

何となく答えがわかってしまうところに自分の想像力を疑ってしまう


「見たことない文字が並んでたし…

光っていなくなるとか何なんだよ!にでも行ったのか!?」


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置き去り者の勇者 十番のいるか @number10

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