第25話 エピローグ 少女の回想3



“あの時、何でこんなことしたの?何であんな顔したの?”






 少女は死んだラヴァイトの幽霊と念話していた。




 少女の異能は<森羅万象と話すモノ>。




 その異能はその名の通り、ありとあらゆるものと念話で意思疎通ができること。




 つまり、少女が念話で意思疎通しようとすれば、




 それが無機物や有機物、生きていようが死んでいようが可能になる。




 少女はここに来る度に、ラヴァイトの幽霊にこの事を聞いていた。




 聞く度にラヴァイトの幽霊は苦笑して、少女に何も言わなかった。




 この事とは、ラヴァイトの生前の事で少女と旅を一緒にしていた時のこと。




 とある廃線になった駅のホームの廃墟で、小雪がちらつくある夜。




 ラヴァイトと少女は手分けして、ホームの中で食料や物資を探して少したった時。




 突然ホームの明かりが灯り、




 それにあの少女が驚いている内にラヴァイトはあの少女の手を前から掴んだ。




 ラヴァイトと少女が輪舞曲を踊るが如く回り出した。




 はたから見れば、ラヴァイトと少女の身長差があり過ぎて、




 ラヴァイトが少女をジャイアント・スイングしているようにしか見えない。




 その時、少女はあまりの急激な状況の変化に心身が追い付かず、



 ただあの少女は笑うしか無かった。




 その様子をラヴァイトが見て、



 嬉しそうな哀しそうな顔をしながら小一時間、回り続けた。




 この時にラヴァイトがした事が不思議でしょうが無かった。




 なんか、この時にラヴァイトがした事が今までのラヴァイトらしくない。


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