第23話 エピローグ 少女の回想1

ラヴァイト&少女 side




~研究所に行く前~






 何処か安宿の一部屋にて。






 ラヴァイトがしゃがんで、少女の目の高さでこう言った。




「この研究所に行けば、



 あなたのことや私のこととアサトの両親の敵のことが判るかもしれない」




 少女は首を傾げた。




「この研究所は世界有数の妖怪の研究所で、




 半妖の私やあなたやアサトの両親の敵の妖怪のデータがある可能性が高い」




 少女が嫌な予感がしたのか、心配そうにコートの裾を手で掴む。




「心配しないで下さい。



 ちょっと妖怪のデータを見せてもらうだけで、危険はありませんから」




 ラヴァイトは少女の手を優しく離し、少女の頭をなでて、こう言った。




「すぐに帰ってきますから」




 そして、ラヴァイトは部屋を出て行った。








 研究所に行って、戻って来た後。








 部屋に戻って来たラヴァイトは悲しみに打ちひしがれていた。




「あの研究所では少女あの人のことが判らなかった」




「どうして、私がアサトの両親の敵なんですか!!




 しかも昔、少女あの人の身体を深く傷つけてしまった……」




「こんなことなら記憶なんて思い出したくは無かった」






グゥ~






 時計を見るとお昼を回っていた。




「こんなに辛い時でも、私はお腹が空くんですね……」 






 コン コン






 ドアを叩く音。




おそらく少女がお昼になったので、部屋に帰って来たのだろう。




 ドアを開けると少女がいた。




 少女はラヴァイトの手を引っ張り、ご飯へ行こうと促して来た。




 ラヴァイトは少女の手を優しく離し、お金を与えてこう言った。




「研究所の資料に調べたい物があって手が離せません。




 一人でこのお金で美味しい物でも食べて行って下さい」




 少女は少し考えた後、お金を持って行った。




「素直でいい子だ」




 そう呟くとドアを静かに閉めた。




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