第22話 地下闘技場6 ラヴァイトの狙いと本当の自分



「放せ!!教えてくれ、<全てを知る者>よ。君から放れる方法ないのか!!




 何っ!!急いで腕を切り落としてその場から離れることだとっ!!!




 この僕に恥を忍んで逃げろというのか」




「もう遅い。無駄だ。オレの体にオマエの腕が結合している」




「その口調、無謀な行動。本当に君なのか!!!」




「オレの異能によって、今までオレの偽り性格をオレを含め周りの人々に




 マインドコントロールで見せていた」




「<全てを知る者>はそんなことを教えてくれない!!」




「オマエの異能は正確な事を教えるのではなく、




 確率の高い方の予測を教えているのは今までの戦いで把握している。




 つまり、オレの偽りの性格が行動の方が確率の高いから、それを教えていたのさ。




 本当のオレの行動の方が確率が低いから教えなかったのさ」




「なら君が今、何をするかを<全てを知る者>で教えてもらう。




 頭でっかちの、妖怪化しなければ敵おろか虫一匹殺せないような心の弱い君が




 僕もろとも自爆だと!!!!




 <全てを知る者>よ、自爆を回避する方法を教えてくれ!!




 君が自爆する前に、あの人を殺して君を絶望させるか、




 それとも君を殺すかのどちらかによって自爆を止めさせるか。




 なら両方だ。君が自爆する前に、あの人を殺して君を絶望させてから君を殺す」




「そんなことしている余裕あるか?オマエの身体は半身が結合しているぞ」




「うるさい!!減らず口を開けなくしてやる。




 <全てを知る者>よ、この状況から僕が脱出して、




 君が自爆する前に、


 

 あの人を殺して君を絶望させてから君を殺す方法を教えてくれ。




 それは……」




「遅い」




「馬鹿な。この僕が……」




「どうか、あの人が幸せに……」




 闘技場の中の包む閃光。




 そして爆発と共にラヴァイトの肉片と血が闘技場全体に吹き飛ぶ。




 宙に舞ったラヴァイトの首は偶然なのか、あの少女の方へ飛んで行った。




 ラヴァイトの首がアサトの傍らに座っているあの少女の膝の上に乗った。




 ラヴァイトの首が乗っても、あの少女は虚空を見つめていた。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る