第21話 地下闘技場5

ラヴァイトは苦しそうな顔で言った。




「君のその顔が見たかったんだよ。そろそろ、死んでね」




 ジョニーがラヴァイトにとどめを刺そうと近づいた時。




「ラヴァイト、この少女は助けたぞー!!


 

 この少女の事は気にせずにそいつをぶっ殺せ!!」




 ウィルグローの声が聞こえて来る。




 ウィルグローの声の方へ向くと



 アルプススタンドにウィルグローを握ったアサトが居た。




 アサトの傍らに座っているあの少女が居た。




 あの少女が居た檻は壊れ、周り居た護衛達は倒れていた。




「あの役立たずどもめ」




 ジョニーはアルプススタンドを睨む。




「まあいいや、僕の<全てを知る者>を誤魔化しだい?」




「ウィルグローに頼んだ」




「ウィルグロー?ああ、喋る銃ね。眼中に無かったよ。



 教えてくれ、<全てを知る者>よ。




 うんうん、闘技場で君の異能で喋る銃に



 テレパシーであの人を助けるようにお友達に頼んだのか」




 ジョニーは<全てを知る者>を使って、大体の事情を把握した。




「無駄な努力を。後でお友達たちも君の後を追わせてあげるよ」




 ブシュ!!!!




 ジョニーの腕がラヴァイトの心臓を貫き、血が流れる。




「この時を待っていたですよ」




 ラヴァイトは不敵な笑みを浮かべる。




「何っ!!腕が抜けない!!!!」




 ジョニーは動揺し慌てるが、ラヴァイトの体は風船のように膨れ上がる。




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