第18話 地下闘技場2 アサトの敵討ち
アサトは過去の悪夢を見た。
恐らく巨大な妖怪の能力だろう。
「父さん、母さん」
アサトは幼い頃、父母と一緒に妖怪退治の旅をしていた。
父母と最後に寄った町をアサトは父母を求めて彷徨っていた。
そのうち、父母の無惨な姿を目撃する。
巨大な妖怪に人形遊びをするように触手で父母を弄んでいた。
父母はアサトの姿を見るなりこう言った。
「アサト、早く逃げろ!!!」
「私達が引きつけている間に」
父母の言いつけ通りにアサトは必死に逃げた。
父母の無惨な姿から目を背けるために。
父母の身体と建物がぶつかる音。
父と母の身体がぶつかる音。
父母を弄んでやがる。
巨大な妖怪めっ。
必ず父母の敵を討ってやる。
目を覚ますと両親の敵の巨大な妖怪が静かにたたずんていた。
起きてすぐに、巨大な妖怪を大剣で斬りつける。
巨大な妖怪は防御せずに、ただ斬られた。
そのとき、アサトは変だとおもった。
こんな弱い化け物に両親やラヴァイトが殺されるのか?
あの時、ラヴァイトは何がいいたかったのか?
不意にアサトは化け物の前で止まった。
そのとき、化け物は黒い塊が吐くがアサトから大きく逸れる。
アサトの考えは正かった。
「お前はラヴァイトだろ?」
すると、化け物の身体が変化してラヴァイトの姿が現れた。
「そうです。私が貴方の敵です。操られたとはいえ、
私が能力をコントロールできないばかりにあの人を傷つけ、
貴方の両親を殺してしまった。
だから、私を殺してください。」
その時、ラヴァイトはあの少女の方を見る。
ラヴァイトはあの少女のために戦っていた。
アサトはそれに気づいたらしく、剣を引いて闘技場を後にした。
彼は復讐よりも友情を選んだ。
復讐しても、なくなったものは戻らないから。
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