第14話 倉庫1

「ったく、次々と面倒な事ばかり起こる」




 アサトは自らの不幸を嘆く。




「あの後、エネルギー炉の暴走したので、研究所の脱出。次に三日間、暗殺者と格闘。




 その次は一個師団からの逃走etc。死なないのが不思議なぐらいだ」




 ウィルグローはそれを皮肉に言う。




「しかも、こいつは肝心なことは言わない」




 アサトはラヴァイトに視線を移す。




「……すいません……」




 ラヴァイトはただ、平謝りする。




「そう責めるな。ラヴァイトにも事情があるのだろう。なあ?」




 ウィルグローはラヴァイトに同意を求める。




「そいつはどうだろう。日頃の恨みを晴らしているのだろう」




 アサトはラヴァイトを睨みつける。




「違います。これが終わったら、全てお話します」




 ラヴァイトはアサトの視線を受け止める。




「判った。とっとと用事を済ませるか」




 ラヴァイトと別れ、アサトはドアを開ける。




 ガチャ、ギィー




 そこは廃屋の倉庫らしき場所だった。




「また会いましたね」




 燃えるような赤い髪。少し大柄の女性。



 全身が鉄の塊に見えるくらいに鎧で覆われている。




「シュア……。お前、やっぱり……」




 アサトはシュアに意味ありげな視線を送る。




「その話は止めましょう。


 今はあなたと私は敵味方に別れた以上、私はあなたの敵よ」




「……判った。約束通り、お前に勝てば、両親の殺した化け物を教えてくれるだな」




「ええ。ただ、私を倒すことができればの話だけどね」




 シュアは不敵の笑みを浮かべる。




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