第12話 研究所10
「一体、どういう事だ!?」
アサトは研究所の職員らしき人物の胸倉を掴む。
「何で、地下室で調べ物をしていただけなのに……。
ひぃぃ~、判りました。言いますよ」
アサトは半眼で研究員を睨みつける。
「あのビデオの実験とラヴァイトとの関係は何なんだ!?」
「それは、良く判らないんだ。精神がどうとか言っていたと思うけど」
研究所の職員はおどおどした口調で、おそるおそる言う。
「聞いたことがあるな。マインドコントロールを応用したものだと聞いたが……」
ウィルグローは二人の会話に口を挟む。
「実験した後、あいつはどうなった?」
「本能に身を任せて、女体を求めて……」
「ふざけるな!!」
ドス!!
アサトは研究員を殴りつける。
「痛いじゃないか。冗談の通じない奴だ」
「もう一度、殴られたいか?」
研究員は口を噤む。
「……詳しくは知らないけど、その場に居た三分の二の人は死に絶えた。
残り三分の一は奇妙な植物状態に落ちいったとかなんとか……」
「噂で聞いた事がある。ある一部の植物状態の患者が奇妙な傷や
急に暴れだしたと言う話を聞いたあるのが……」
「そこなんだよ。NO…いや、今のラヴァイトの状態に酷似しているだよ」
「おい、待て。話からするとラヴァイトはビデオを見たことによって、記憶が戻り、
精神に何かを働きかける力を自分自身に使ったってことになるぞ」
「そりゃあ、自分があんな事をしていたなんて知ったら、気が狂っても仕方ないよ」
「どうもひっかかるな。
どうして、あいつは最後にアサトに何を言おうしたのだろう」
「もしかして、あの事について何か知っているのかもしれない」
「あの事って何?それって、もしかして、同性愛……」
ドカドカ バシ!!
アサトは左ジャブから右フック、左ヒザのコンビネーションを入れる。
「ととっと、どうすればラヴァイトが治るか、教えろ!!」
「いたーーー!!!!わ、判ったよ。あっちにある機械まで案内するよ」
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