第11話 研究所9 ラヴァイトと謎の少女の出会い
ラヴァイトは悪夢を見ていた。
それは能力か夢か。
それは狂気を誘う月夜の光。
血塗れの緑髪の男と少女。男は少女を押し倒し、少女の血肉を喰らう。
そして、男は少女の血で、体が朱に染まり、少女も自らの血で、体を朱に染める。
男は人の姿をした妖怪だった。
男はなぶるように、ゆっくりと少女を貪る。
しかし、少女は無表情だった。
身体の痛みを感じない、人形ような表情。
次第に男は少女への焦燥か恐怖なのか、あらゆる苦痛を与えるように貪る。
それを少女は空虚な瞳で、男を見上げる。
時折、運命を享受するように瞳を閉じる。
その間、二人の周りの地面は血で染まって行く。
男は心身の疲労からか、徐々に貪るペースが落ちていく。
少女は相変わらず、ただ男を見つめる。
顔を歪めるわけでもなく、悲鳴をあげるわけでもなく。
とうとう、男は力尽き、少女の体に倒れこむ。
男は倒れこむ寸前に何かを呟く。
「私は何を………」
すると、少女はそっと、男の両脇に手を添えた。
月明かりが二人を優しく包んでいるように見えた。
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