貴方が傍に居れば

第5話

夕方、ホテルで待ち合わせの時間になり、メンバーとスタッフが来るのを待っていた。

「潤ちゃん、みんな集まった？」

リーダーのTAKEさんが聞いてきた。

「えーっと、RENさんだけがまだのようですね？」

「RENちゃんはどこで何してたかわかる？」

と、リーダーのTAKEさんがみんなに問いかけてみたが、みんな知らない様子。

俺はさっき見たのを思い出し、

「あっ、そういえば海で写真撮ってました！」

と言い、海へ向かおうとしたが、今からだと海へ行って戻ってきても帰りの飛行機に間に合わない。

あと10分この場で待つことにした。

先輩マネージャーの谷口さんが携帯に何度もかけても通じず、待って10分が経とうとしている。

「RENさん来ないですね？」

リーダーのTAKEさんに話しかけると、ため息を一つつき、

「仕方ない、潤ちゃん、RENを探して明日の飛行機で一緒に帰ってきてくれる？」

「明日と明後日は休みだし、お願い！」

と、リーダーのTAKEさんから言われたが、

　"ハワイでそんな…"

と戸惑いっている顔をしてしまった。

TAIGAさんが

「俺も一緒に残ろうか？」

とかけてくれたが、

「TAIGAは明日は打ち合わせが入っているだろう？谷も明日はTAIGAと一緒に打ち合わせだし…潤ちゃんしかいないから…。」

と、TAIGAさんがソロデビューすることが決まっており、その打ち合わせが入っているようで…。

TAIGAさんも申し訳なさそうに自分に向かって言ってくるのがわかったので、これもマネージャーの仕事と腹をくくり、

「わかりました！RENさんと一緒に明日帰ります」

と、表向きはしっかりと答えたが、内心は渋々だった。

RENさん以外のメンバーとスタッフは荷物を車に乗せ、自分一人を残し、空港へ出発した。