第3話

ハワイの空港も人、人、人だ!


マネージャーはゆっくりする暇もなく、飛行機の中では先輩のマネージャーと、現地に着いた時のミーティング。


現地に着いたら、車の手配やホテルの確認。現地スタッフとの撮影の打ち合わせと、やることが多くてメンバーのお世話など到底できない。


それでも先輩マネージャーは、その合間の時間を見つけて、きちんとメンバーとのコミュニケーションを取っている。


空港に着くや、すぐに車に乗り、ホテルへ直行した。


「夕方まで時間があるので、みんなゆっくり休んで、夕食はホテルのプールサイドに集まって、新曲PVの決起会とします!」


リーダーのTAKEさんからの提案で、初日の夕食はホテルでの豪華会食となった。


鍛えられた男達の宴会は底知れず、食べるは飲むはで、まさに体育会系の飲み会。


自分はこの豪快さに圧倒されるだけ。


「潤ちゃん、楽しんでる?」


声をかけてきたのは、何かと自分を気にかけてくれているボーカルのTAIGAさん。


「は、はい。どうにか…楽しんでます。」


いつもTAIGAさんは、自分の事を気にかけてくれているのがわかる。


本当に優しい人なんだと。


「こんな風に、メンバーとスタッフと楽しく仕事がやれて本当にうれしんだよ。」


とはしゃいでいるメンバーを見つめTAIGAさんは自分に言ってくれた。


その目は潤んでいるかのようにも見えたが、自分はその事には触れず、


「自分もここの一員になれて、大変な事も多いですが、今は充実感と毎日楽しく仕事をさせて頂いて、 本当に嬉しいです!」


と、言った瞬間、後ろから大きな体のTAIGAさんの体が追い被ってきた。


「潤ちゃん!俺もそうだよ!こんな風にみんなと好きな歌を歌って、みんなに届けられてる。なんて幸せな人生だなーって。なんか罰が当たるんじゃないかもって思うよ。」


と自分にバックハグしながら、TAIGAさんは素直な気持ちを真っすぐに自分に教えてくれた。


体育会系のノリとはわかっていても、俺が女ならもう落ちてるなって思うようなシチュエーションに、恥ずかしくも、嬉しくも、ドキドキも感じた瞬間だった。


「俺も幸せ者です!」


て、恥ずかしさもありがら放した言葉。


TAIGAさんの腕がギュッと力強く俺をさらに包み込んだ…。

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