第3話 スーパーエステのおはなし
最近すごいエステをしてくれる店が出来たらしい。
なんでも文字通り全身のエステをしてくれるという。期待が膨らむ。
「おはようございます。ようこそいらっしゃいました」
「すいません、予約していた○○ですが」
「お待ちしておりました。お試し全身コースでご予約の○○さまですね。
まずは一階奥の104号室にお進みください」
いわれて部屋に入ると驚く。美容室にあるようなイスにフットバスがついている。
「お待たせしました。クツを脱いで素足になって座ってください。」
座ってフットバスに足をつけるとお湯が入ってきた。熱すぎず、冷たすぎず、気持ちいい。
「お湯加減はいかがですか?問題なければ初めさていただきます」
「お願いします」
まずは熱いおしぼりで顔を拭かれ、右耳をおしぼりで覆われた。
適度にほぐれたところでおしぼりはとられ、耳かきが入ってくる。どうも奥のほうにかたまっているらしい。耳かきが鼓膜の近くをかいている。おっ、すごい音がした。はりついていた大物がとれたらしい。
「刃物が入りますので動かないでください」
「はい」
おまちかねの穴刀だ。おぉ、剃る音がはっきりと聞こえる。だいぶ耳毛が伸びていたらしい。
うーむ、鼓膜を傷つけずにギリギリを剃っている。これはきもちいい。
むっ、なにやら見慣れない道具を手に持ったぞ。耳のなかにいれて…
うおっ、耳の中がお湯で洗われただと。これはたまらん。
「は、後は保湿して耳掃除は終わりです。続きまして髪のカットと髭剃り、シャンプーになります」
はー、ぼさぼさだった髪がさっぱりと切られ、朝の剃り残しも処理された。とどめはシャンプーだ。頭皮もこるということを実感した。
「続きまして、ネイルケアです」
うん、けして深爪にせず、しかし白い部分は残さない。うーむ、お見事。
「お疲れ様でした。最後に角質の処理をさせていただきます」
そういうやいなや、ヘラで角質を削り始めた。
お湯につけていたので面白いように取れていく。
「お疲れ様でした。次はマッサージとムダ下の処理です。三階にお風呂がございますのでおすすめです。順番が来ましたらお呼びいたします。館内の移動にはこのスリッパをお使いください」
はー、風呂で足を伸ばせるのはうれしい。このあとマッサージだからよく温まっておこう。
「○○さまー、マッサージ室にお越しください」
おっと、こんでないらしくちょうどよく温まったところで呼ばれた。
「お待たせいたしました。はじめさせていただきます」
あー!日ごろのこりがほぐされていく!
「うーん、腰が特にひどいですね。電気鍼を使いますね」
おっ、おー!これはいい。鍼は初体験だが凝りがほぐれるのがよくわかる。
「では最後にムダ下の処理をします」
おー、髭剃りが肌をなぜる感覚がたまらない。
おお、さらにクリームを揉み込みながら脱毛するのか。
「これにてコースの全工程が終わりました。
お風呂とサウナは入り放題なのでご自由にどうぞ」
よし、たっぷり汗をかいて飲む風呂上りのいっぱいが楽しみだ。
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