第2話 鼻も耳もかゆい時のおはなし
今年の春は例年よりも花粉が多いらしい。花粉症の私は鼻をかむことが一気に増えた。何回も鼻をかんでいるといつの間にか耳までかゆくなってきた。耳もかゆい、鼻もかゆい。ああ、こんなときどうしたらいいのだろう。その答えはこれだ。鼻毛カッターである。社会人の身だしなみとして鼻毛が見えているなど言語道断である、買った当初はそんな正しい使い方をしていたのだが、こんなに鼻がかゆいと鼻からはみ出てない鼻毛も切りたくなる。鼻毛はごみが鼻に入らないよう防いでくれているなんて知ったことか。お前がいるせいで余計にかゆいんだ。そんな八つ当たりを鼻毛に対してぶつけよう。
ヴィーーン、ジャリッジョリッ!
狭い鼻の穴を何度も往復させて剃り残しが無いようにする。最後に鼻をかんで、丸めたティッシュぺーでぐりぐりと鼻掃除して終わりだ。ああやっとすっきりした。
次は耳だ。こちらもまずは専用のカッターで耳毛を剃る。このまま鼓膜の近くまで届いたら最高なのだがカッターの先が太いためそうもいかない。そしてエースのこよりの登場である。こよりはティッシュペーパーを細長くしたものを使う。これを耳の中に入れると「快楽」、この言葉に尽きる。何よりも柔らかな描き心地。それでいて先端を置くまで入れたら鼓膜を適切に刺激してくれる。こよりだけでは耳垢を取り出せるわけでも、切った耳毛をぬぐいさるわけでもないが、このソフトタッチがたまらない。最後は切り札である綿棒だ。化粧水で湿らせた綿棒で耳の穴をこする。
これで春も花粉症に負けずに頑張れる。
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