かごんま(鹿児島)へ1(桜島周遊)

翌朝、二人は、案の定、6時半頃に起床、朝食は軽く、バイキング方式で好きなものを選べた。そして、8時過ぎに、チェックアウトをしてホテルを出た。

「いよいよ、鹿児島ね!」

熊本駅に着いた二人は、西鹿児島行きの特急「つばめ」に乗り込んだ。約1時間半ぐらいで、西鹿児島駅に着いた二人。

「まず桜島に行こうよ!」

バスで鹿児島港に向かい、桜島フェリーで桜島に向かった。桜島側の桟橋から。

「ここからバスが出ているかしら?」

しかし、バスは、一向に出発する気配はなかった、そんな中。

「お嬢さん達、新婚旅行かね?」

タクシーの運転士が声をかけて来た。それに対し、紀子は・・・。

「あっ!いえ!まだ結婚していませんが・・・。」

「おお!そうか!じゃデート旅行かね?」

「ええ!まぁ!そう言う感じです。」

「おお!あついね!・・・どうかね?桜島を一周、観光してみないかね、安くしとくよ!お二人さんで6000円でどうかね?」

「あっ!ぜひ、連れて行ってください。」

紀子はそう言うと、二人は、タクシーに乗り込んだ、そしてタクシーは桜島一周に向けて出発した。運転士は、運転しながら、二人に話を始めた。

「はんな!どこから来はったのかな?」

「は・・・はんな?」

誠は初めて聞いた鹿児島弁に困惑していた。しかし紀子は。

「大阪からです」

と答えた。

「おお!そうか!かごんまは初めてかね」

「か・・・かごんま??」

「いえ!私は、2回目ですけど、彼は初めてです!」

「おお!そうか!お兄さんは初めてやっどか?・・かごんまはよかとこやっど!」

「や・・・やっどって???」

誠は鹿児島弁にかなり困惑していた。

「お二人さんは大阪出身かね?」

「いえ!私は、神戸市で、彼は淡路島の洲本です!」

「淡路島!私も一度行った事有るよ、あそこもいいとこやっど!・・・お二人さんはどこで出会ったのかね?」

「あっ!明石海峡大橋の上で・・・開通直前のイベントで明石海峡大橋を歩いて渡り初めをした時に初めて出合いまして・・・」

「明石海峡大橋・・・・そういえば、世界一の吊り橋が完成したみたいだね。もう、開通したのかね?」

「ええ!2ヵ月前に開通して、神戸、淡路島が近くなったんですよ!」

「おお!それじゃ、二人にとって明石海峡大橋は初恋の架け橋だね!」

「えっ!」

二人は驚いた。

「だってさ、お嬢さんは神戸でお兄さんは淡路島だったら、その明石海峡大橋で結ばれて、しかも、その橋の上で出会ったんだから、初恋の架け橋になるわけだ」

「へぇ!そうなるわね!」

車内で話がはずみながら、まず最初に向かったのは、有村溶岩展望所だった。

タクシーは、専用の駐車場に停めて、二人を展望所に案内した。階段を登り、展望所へ。

「すごい、桜島が間近に・・・黒っぽいゴツゴツした大きな石が・・・」

誠は、かなり驚いたようだった。

「この石は、全部、溶岩が冷えて固まったものなんだよ!」

二人は、圧倒されていた。そんな中、桜島は、かすかに噴煙を上げ始めていた。

「あっ!噴火しているみたい!」

「ええ!桜島は、常に、小規模な噴火はしているんだけどね!」

「こわ-、大丈夫かな?」

誠はかなりびびっていた。そんな中でも、噴火している桜島を写真に納めた。そして、遊歩道を歩き回り駐車場に戻る途中で。

「高野・・・なんて読むの???」

高野素十句碑を見たものの、漢字が読めなかった。

「ああ!たかのすじゅうと読むんだよ!知らないですか?」

「いえ!知らないです。有名な方ですか?」

「ええ!俳人、そして医学博士だよ!うーん難しそうたがら、飛ばしましょうか?」

二人は、はい!と返事した。そして、駐車場に戻った。

「次は、黒神埋没鳥居に行きましょう。」

タクシーは、次の目的地の埋没鳥居に着いた。

「これが火山灰で埋まった鳥居か!初めて見た!」

誠は初めて見る鳥居に圧倒された。

「大正3年1月12日に桜島は大規模な噴火を起こしてね、かごんま市内にも火山灰が降りそそいたし、それまで陸地と離れていた桜島が火山灰がたまった事によって陸続きになったんだよ!」

「へぇ!もともと、繋がっていなかったのか??」

「かなり大きな噴火でね、カムチャツカ半島まで噴煙が到達したと言われているんだよ!」

「カムチャツカ?・・・めちゃくちゃ離れた所まで飛ばされてたんだね!・・・今、また大噴火したら、もうどうしようも無いかも、怖いよ!」

誠は、埋没鳥居も写真に納めた。それから、タクシーは最初のフェリー乗り場に向かって出発した。約1時間半ぐらいで桜島を一周して戻って来た。

「どうもありがとうね!かごんまもいいとこやっど!」

二人は、運転士に軽く頭を下げてフェリーに乗り込み、鹿児島市内に戻って行った。




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