阿蘇から、熊本市内へ

翌朝、6時半頃に目を覚ました二人。

「おはよう!」

「おはよう!久しぶりによく寝れたよ!」

二人は、大宴会場へ朝食を食べに向かった。朝食は手軽なハムエッグやロールパン等だった。二人はあっと言う間に、食べ終わった。そして部屋に戻り、出発の準備をした。

フロントに行き。チェックアウトを済ませた二人。

「どうもありがとうございました!」

支配人や女将さんに見送られて『金時』をあとにして、内牧駅へ、約20分歩いて駅に到着した。そこから、熊本駅に向かう普通列車に乗り込み、熊本市内へ向かった。1時間程で熊本駅に着いた二人。

「まずは、熊本城ね!」

「うん!」

二人は、健軍町行きの市電に乗って熊本城市役所前で下車した。堀井川沿いを歩いて、熊本城入口へ。

「これが、加藤清正の像ね!立派な像ね!」

誠は加藤清正の像を写真に納めた、そして、桜の馬場へ、入場券を購入して、熊本城天守閣へ向かった二人。

「かなり広いなぁ!天守閣まで、かなり有るみたい!」

天守閣前広場に着いた二人は、そこから、天守閣を写真に納めた。そして、子天守側から中に入って行った。天守閣に入った二人は圧倒された。

「かなり、いろんな人の名前が多いね!」

「これみんな、熊本城主ね!一口1万円から寄付すれば、城主になれるみたい!」

「へぇ!城マニアだね!」

二人は、階段を登って、各階の展示場へ、熊本城の模型や、年表等みて回った。そして、最上階の展望室に着いた二人。誠は四方の景色を写真に納めた。

「熊本市街が一望できるわ!、阿蘇山の外輪山も見えるみたい!」

二人は、いろんな方角の景色をみて回った。約30分、展望室から熊本市街をみて回り、下に降りて、天守閣を出た二人は、二の丸広場に。

「加藤神社に行ってみようよ!」

二人は熊本城の北側に有る加藤神社に。神社内をみて回った後、熊本城をあとにして、ある場所に向かった。坪井という場所まで来た二人。

「ここにも、入ってみよ!」

紀子は、ある住宅を指さして誠に言った。

「ここって!他人(ひと)の家じゃあ・・・えっ?夏目漱石???」

二人が来たのは、内坪井の夏目漱石の五番目の旧住居だった。

「夏目漱石って、熊本に住んでいたの???五番目ってどういう事???」

二人は門から玄関に向かい、受付に向かった。

「へぇ!夏目漱石って六回も転居したんだって!その内の五番目の住居で一年八ヶ月住んでいたんだって!」

受付で入館料を支払い、順路に沿って進んでいった。

「けっこう和室が多いわね。縁側から見た庭もいいね!」

二人は縁側を通って、孤立したかのような和室に入って行った。

「草枕紀行?二百十日紀行???なんか難しそう!」

誠はかなり難しい顔をしていた。その部屋には、夏目漱石年譜もあり、二人は観ていた。

「夏目漱石の本名って、金之助だって・・・江戸牛込場下って、やっぱり東京でしょう。・・・一八六七年・・・慶応三年産まれ・・・!へぇ!正岡子規とも出会ったんだって!・・・そういえば、愛媛の松山に、坊っちゃん列車ってあったけど、坊っちゃんって夏目漱石の作品だったわね!」

紀子は年譜を見て感心していた。再び縁側を通って別の部屋に行った時・・・。

「あらっ!夏目漱石のからくり人形があるわ!テーブルに居座っている猫を撫でて執筆中みたいね!」

誠はさらに難しそうな顔をしていた。しかしすぐ横の縁側の先の庭を見て驚いた。

「うわっ!けっこう広い庭・・・井戸も有るよ。」

「本当ね!立派だわ!・・・ねぇ、縁側の向こうに洋室があるみたい、行ってみようよ!」

二人は早速洋室に入って行った。そこには、漱石全集(初版)等が展示されていた。

「なんか難しそう!」

誠は相変わらず難しそうな顔をしていた。

夏目漱石の旧住居を見学し終えた二人。また徒歩で市電の通町筋駅に行き、そこから市電に乗り込んだ、水前寺公園に向かったのだった。

「水前寺せいしゅ・・・えん?」

「えっ!いや!・・・水前寺じょじゅえんよ!」

「水前寺って!・・・水前寺清子なら知っているけど。」

「そうよ!水前寺清子って熊本出身だからね、この水前寺公園から、名前を決めて!清子は、加藤清正から清をとっているみたいよ!因みに、八代亜紀も、熊本の八代市出身だから、八代亜紀って名前にしたらしいよ!」

「やつしろ???」

「八代市って、熊本市の南に有るわよ!」

誠は、また難しそうな顔をした。水前寺公園に到着した二人は、入場料を払い、中に入った。

「へぇ!日本庭園みたい!」

「癒されるわね!」

「公園内に、神社も有るよ・・・でみず・・・???」

「ああ!出水と書いて『いずみ』よ!」

「へぇ!いずみって、こう書くの?・・・いずみ神社?」

「そうよ!あと『せんだい』という地名も有るわよ!」

「せんだいって、宮城県の仙台なら知っているけど!」

「字は違うけれど、鹿児島に『せんだい』って有るわ!『川』に『内』と書いて川内(せんだい)みたいよ!」

「ほとんど、当て字じゃん!」

二人は、水前寺公園内を散策して、出水神社にも立ち寄った。そして、水前寺公園内で軽く茶菓子を味わった。

「本当に癒されるわ!」

紀子は満足そうだった。その後二人は、熊本駅前に戻る予定で市電に乗ったのだが・・・。

「あらっ!反対のほうに乗っちゃったみたい!健軍町行きだよ!」

「あっ!本当だ!どうしよう?・・・ついでだから、健軍神社にも行ってみようよ!」

「健軍神社??そういえばガイドブックをもらったけど健軍町の事載っているみたい!昔、三菱重工の飛行機を作っていた工場があったみたいだよ!よく分からないけれど・・・戦闘機なんか製造していたみたい!終戦を迎えたあと、残っていた『飛鷹??』なんか中進軍の手で破壊された・・・だって!」

「かなり悲しい過去があったみたいね!」

「そうみたい!・・・ちょっと待って!健軍神社に行くには、八丁馬場で降りたほうがいいみたい。そこから、参道があるみたいだから!」

二人は、八丁馬場で下車、参道に向かった、しかし、ここで降りた事を後悔したようだ。

「参道、長っ!・・・だいぶ歩くよ!」

二人は、1200mもの健軍神社参道をひたすら歩き、約20分程で健軍神社に着いた。楼門をくぐり、境内に入った二人。

「今日だけで、三ケ所の神社に行ったわね!、あらっ!神社の中にさらに神社があるみたい!雨宮神社??国造神社???」

紀子は驚いた。その後、境内をみて回った二人、帰りは、動植物園入口から市電に乗り込み、熊本駅に戻った。

「ここで、土産物を買って、私は、郵送してもらうわ!」

紀子はそう言うと、二人は土産物店に入った。

「あっ!これが、陣太鼓って言うお菓子か?あと、からし蓮根、熊本ラーメン、あれ?熊本にも明太子売っているよ!ついでに買おう!」

「明太子って、あっちこっちでも売っているわ!」

「へぇ!明太子って博多だけだと思ったけれど・・・。」

「今は、もう日本全国で帰るみたい!・・・これって、タラコだよね!」

「うん!まあ!スケソウダラの卵を、韓国のキムチをヒントに辛くしたんだって!ほら!博多って!韓国に一番近いからね!因みに、韓国では、スケソウダラの事を明太と言うみたいだよ!それで、明太子って名前がついたみたい!」

「へぇ!詳しいんだね!」

「えっ!いや!テレビでやっていたんで!」

二人は、熊本の土産物を購入、郵送してもらった。その後紀子は、お酒の店に立ち寄った。

「香露???なんか難しそうな名前!」

誠はまた難しそうな顔をした。

「熊本では、まあまあ、有名なお酒みたい!」

そう言うと、レジに向かい郵送してもらうようにした。その後、再び市電に乗り込み、辛島町という場所で降りて、商店街に向かった。

「昼食に熊本ラーメンを食べましょう。」

二人はアーケード内を散策して、熊本ラーメンの店に入った。

「ちょっと遅い昼食になったわね!」

熊本ラーメンを食べ終わり再びアーケード内をぶらぶら。そして、宿泊するキャッスルホテルに向かった。

「ビジネスホテルね!」

少し早いものの、チェックインをする事にした。部屋に着いた二人は、一服した。・・・夜7時過ぎに二人は、夜食を食べるつもりでホテルをでて、辛島町のアーケード商店街へ。

「何食べる?」

「うーん!もう軽く食べるぐらいなら!」

「そうね!マクド・・・?」

「あっ!マクドナルド?・・・でいいんじゃない?」

そう言うながら、ハンバーガー店で夜食を食べる事に、そして、ホテルに戻った。

「明日は、鹿児島ね!」



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