第7話 寝取られリアリティショー
「うっそでーす♪ ドッキリでしたー♪ 本当は初めからずっと寝取られてましたー♪」
「え……? 綾恵さん……っ、これ、どういう……」
全裸の綾恵さんが、屈強な男たちに囲まれながらダブルピースを向けてくる。
何だよ、これ……何だよこれ……っ、ドッキリだったって……嘘、だろ……嘘だよね、綾恵さん!
「あはっ♪ 奏君のために寝取られたフリなんて、そんな気持ち悪いことするわけないじゃないですか♪ 実はね、これ最初から全部、裏モノAVの企画だったの♪ 一部で大人気シリーズの寝取られリアリティショーなんだけど、マンネリ化しちゃってたから、奏君みたいな変態さんをターゲットにして裏の裏をかいたドッキリにしてみたんだよ? 『童貞彼氏くんは自分のために彼女が疑似NTRしてくれてると思い込んでるけど、実は本当に寝取られてました(笑)』っていうシナリオなんです♪ うふふ♪ 初日に送ったビデオレターあったでしょ? あの時も本当は私の周りにおちんちんがたくさんあったんですよ♪ 私のことを肉便器扱いしてくる男の人たちが何十人もいたんです♪」
「そ、そんな……!」
僕はあのDVDを僕たちなりの愛の結晶だと思っていたのに……! 形は歪んでいても僕たちは確かに愛し合っていると……。疑似NTRで僕がショックを受けていることで、君も僕に愛されていることを実感して興奮していたんじゃないのか……? そうやって互いの愛を確かめ合うための、あれは僕たちなりのセックスだったんだろ……? 歪んでいるからこそ、お互いがお互いにとってこの世界で唯一の拠り所だったんじゃないか……! 共依存のようになってしまっても構わない、それでもずっと一緒にいたいって……そんな風に思っていたのは僕だけだったってことなのかい!?
「あ、でも私は出演料なんて貰っていませんよ? 私は経験豊富おちんぽに中出しされちゃうのが大好きなだけですから♪」
「ぎゃはははは! ひっでー、肉便器ちゃん。童貞くん泣きながらガン勃ちしてんじゃん(笑)」「どうでもええわ、オタク君とか。オラ、休んでんじゃねぇ、ガキ便女。さっさとしゃぶれや」「じゃあ俺は彼氏くんの前で無責任種付け決めちゃいまーす☆ あ、彼氏じゃねーのか。ぎゃはは!」
「やめろ……っ、やめてくれ……! もうやめてよ、綾恵さん……っ!」
「嫌です♪ あっ……んっ」
男たちに乱雑に扱われても、綾恵さんは嫌がるどころか、顔いっぱいに悦びを広げて発情期の猫のように鳴く。
「あーやっぱメスガキの巨乳サイコーだわ。マジ興奮してきた。ぜってー今日孕ませるわ。じゃ、嘘彼氏くん、メスガキちゃんの子宮いただいちゃいまーす☆ ぎゃはは!」
「あはっ♪ 奏君は私が赤ちゃんのお部屋占拠されちゃうとこ見ながら、童貞おちんぽシコシコ頑張ってねー♪ あんっ♪」
「うっ――うああああああああああああああああああ!!」
「夢オチでしたーっ♪ 寝取られてませんでしたー♪ おはようございます、奏君っ。朝ですよー♪」
「う……あ……」
超至近距離に綾恵さんのニッコニコ顔があった。あのニタニタ顔の男たちは消えていた。一瞬何が起きたのかわからなかったが、冷静になって状況を整理すると、要するに僕は自室のベッドで綾恵さんに添い寝されていた。ていうか夢だった。綾恵さんは寝取られていなかった。くそぉ……!
「どうでしたか、私の寝取られ睡眠学習。レム睡眠中の奏君の耳元で私が寝取られているかのような淫語を囁き、寝取られ悪夢を見せることによって、夢精に導く作戦なのです! 夢精おピュッピュ、出来ましたでしょうか?」
「ギリギリだったよ! 昨日寝る前に二回抜いていなかったら確実におピュってたよ! おはよう、綾恵さん! 今日もかわいいね!」
ツーブロック先輩との騒動があった翌日の朝。昨日の今日でさっそく綾恵さんはアクロバティックな攻撃を仕掛けてきた。制服のスカートから伸びる生足が僕の足に絡みついてくる。うーん、すべすべ。
「えーっ。そんな……ひどいです、奏君っ! えっちなことが大の苦手な私が、精いっぱい頑張ってエッチなこと言ってあげたのに……」
「ひどいのは綾恵さんだよ! 夢の中で僕がどんな気持ちだったのか分かるかい!? あんなタトゥーだらけの色黒ヤリチンたちに恋人をめちゃくちゃにされて、息ができなくなるほど苦しかったんだからね!? それなのに綾恵さんはチャラ男のズルムケちんぽと僕の情けない包茎ちんぽを比べて嘲笑いながら追い打ちを……うぅ……!」
「それは奏君が夢の中で勝手に付け足した情報です。私は間男の容姿に関することなんて呟いていませんし、奏君の包皮になんて一言も言及していません。全部奏君の趣味です、脚色です。奏君が包茎なことは今初めて知りました」
「くそぉ……誘導尋問に引っかけられた……! 綾恵さん、卑怯だよ……! そうやって僕の『フル勃起状態でも手を使わないと余り皮が全部剥けない』というコンプレックスまで暴こうとしているんだね……!」
「全部自分から言いましたよね。私に知ってもらいたかったんですね。とんだ変態さんですね。大ちゅき……♪ それにしても、奏君のイメージする間男ってバリエーション偏ってません? 奏君リストを見ても、だいたい二十代前半までのチャラ男系って感じです」
「チャラ男が一番激しく僕のコンプレックスを刺激してくるからね……! 本当に彼らは凶悪な存在だよ……!」
「相変わらず難儀なお方ですね……。私も寝取られというジャンルについて調べてみたのですが、間男はもっと大人の男性というパターンもポピュラーみたいですよ?」
「うーん、おっさんか。悪くはないんだけど……」
おっさんだと何か援助交際っぽさが出ちゃうんだよな。お金目的で割り切ってる感っていうか、サバサバ感があって、寝取られたっていう感じが三割ほど薄まってしまうのだ(
うん、そうだ。寝取られっていうなら心まで奪われないと。そういう意味で、やっぱりレイプもダメなのだ。
うん、昨日の僕はちょっとどうかしてただけ。自分の欲望に嘘をついてるわけじゃない。レイプなんて初めから守備範囲外だったんだ。
だから決して昨日の綾恵さんの言葉に、あの迫力に、ビビってしまったわけではない。
むしろ。僕はあの瞬間にますます彼女に惹かれてしまった。綾恵さんという人間の奥深さに、僕だけが知っているミステリアスさに、完全に魅了されてしまった。可愛いだけじゃなく、妖艶さも持ち合わせた不思議な女性。もっと深く君を知りたいと、まだ誰にも見せていない君の一面を僕だけに見せてほしいと、本気で思うようになってしまっている。
これは、本物の恋だ。それだけは間違いない。
だからやっぱり、正攻法で、完全無欠で、君の全てを寝取られるべきなのだ。心も体も傷つけることなく、心も体もいっしょに寝取られなければならないんだ。
まぁ最初はちょっと嫌々というか、チャラ男の押しに負けてとか、雰囲気に流されてみたいな感じでヤっちゃうぐらいなら全然ありだ。そこで乱暴を働くような男はリストに入れてないし。で、僕に罪悪感を覚えながらも快感に逆らえなくなって、ついつい回数を重ねていくうちに徐々に徐々に心まで……ってパターンが妥当かな。流されちんぽからの本気ちんぽ、そして心へ……これが勝利の方程式なのだ。
「『おっさん』とは言っていないじゃないですか。もっとかっこいい大人の男性だっているんですよ?」
「え? 何その思わせぶりな発言。ま、まさか綾恵さん……! ひどいよ! 僕というものがありながら大手広告代理店の課長のカキタレだったなんて……!」
「結局チャラ男のイメージに引っ張られてるじゃないですか。奏君はもはや寝取られというよりチャラ男が好きなのでは……ダメですよっ! 男相手とはいえ浮気は絶対に許しませんっ! 私には寝取られ性癖なんてないんですからっ。もうっ、ぷんぷんっ」
とはいえ、こうやってあざとく頬を膨らませる綾恵さんも素直に可愛いのは間違いない。こんな彼女が家まで起こしに来てくれるなんて、普通の男子高校生ならそれだけでカウパー夏の大感謝祭なのかもしれない。
え、あれ、でも。何で綾恵さんってうちの場所知ってんだっけ。そういや付き合った初日からいきなりバイク便を……
「ちょっと奏ー、いつまで寝てんの。あんたいい加減――――はぁ!?」
「あ、白ギャルさん、おはようございます♪」
朝っぱらからきっちり制服を着崩しまくってる
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