第26話 皆んなでおでかけしてみた

変異サンドワーム騒動も落ち着いた今日この頃……




クロのおかげで何故か廻りまわってボルネオール侯爵家の収入が増えたので、父様にお強請りして先日お小遣いをいただきました。




『いや、お前も黙っていただけで、エリーの後ろで凄い威圧を放っていたからな!』

(ボルネオール侯爵談)




なので明日は、久しぶりに皆んなと王都近郊の牧場に出かけます。

モウモのアイス楽しみです。

姉はクリスとポリーン姉様も婚約者様といらっしゃいます。

そして私は何と大好きなライネル兄様と一緒なのです♡




明日は何を着て行こうかしら?

この前作って貰った、淡い水色に襟と裾に白い小花のレースが付いたワンピースが良いかしら?

こっちのサーモンピンクに裾に同色の糸で薔薇の刺繍が入ったワンピースも可愛いわよね。




そうだわ♪

シルバーにもお揃いのリボンをつけましょう♡




姉はどうせカーキ色だから、被らないでしょう。

ポリーン姉様は先程会った時に黄色のワンピースに白いリボンが付いたのにするとおっしゃっていましたし。




明日が楽しみです。



------------------


翌日……


(ライネルside)



どうしてこうなった?




せっかくあの子がお出掛けデートに誘ってくれたと思って期待していたのに、これってもしかしてエリー嬢とクリスのお出掛けデートのカモフラージュなんじゃ……

(ピンクのリボンを付けた猫付き)




それにポリーン伯爵令嬢の婚約者は、中等部で同じクラスだった奴(文官科)だ。

人の事を散々ロリコン呼ばわりしといて、お前だって対して違わないじゃないか!




だからここ数日アークは俺の事を気の毒そうに見てたのか!

代わりにお出掛けデートプランを練って店の予約までしてくれたから、ヤケに親切だと思ったら、仕事だったんだな……




こうして俺達6人はボルネオール侯爵家の大型馬車に乗り、使用人や護衛と共にエビーニャ牧場へと向かったのだ。

楽しいお出掛けデートのはずがまさかあんな事になるとは思わなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る