第15話 憧れのお兄様
前書き
ケイトの恋♡
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私の家、【ボルネオール侯爵家】は《魔術師》の家系です。
現在、家には私と姉しか子供が居ません。
普通は父方の従兄弟から、婿養子を迎えるところですが、全員見事に魔術師の才能が有りませんでした。
一番上の伯母のところは三人兄弟ですが、長男は騎士団、次男は文官として地方務め、三男は他家に婿養子に行ってしまいました。
二番目と三番目の叔母のところは、跡継ぎの長男とその姉妹しかおらず、四番目の叔母のところは、私達と同じで婿養子を探しています。
と、いう訳で今、私の前には沢山の婚約者候補の写真と釣書が置かれています。
何しろ侯爵家ですから、私の婿になりたい人は沢山います。
一応、この中から選ぶ訳です。
まぁ、全員不合格という事もあり得ますが……
まず、一番上から。
『先月、公爵家で産まれたばかりの四男』却下。
次、『魔道具商会会長の孫、5歳』却下。
次、『ユイナーダ学園初等部二年…』
アレ?この人確か
何か嫌な予感がします。
却下で。
次、『イヌスキー侯爵家の三男。猫嫌い。』却下!
次……
1時間後……
あゝ…ろくな候補者が居ないわね。
そういえば明日から、初等部に高等部の先輩達(希望者のみ)が、研修に来られるのでしたわ。
【初等部研修】とは、高等部の学園生の為のほぼ『就職活動』です。
貴族の跡継ぎではない方々や、平民の方々が高位貴族の親を持つ、私達と仲良くなって伝を作る事を目的にした催しなのだそうです。
もちろん、参加しないで別口で就職される方もいらっしゃいます。
ここで私達にも『人を見る目』が試される訳です。
そしてこの研修中に見初められて、婚約される方も何人かいるらしいですわ。
姉に言わせると、そういうのは【ロリコン】というのだそうですよ。
この研修が縁で、卒業後の就職先が決まった方々も、ちゃんといますけど。
なので高位貴族の子女が集まる、【初等部研修】はたいへん人気のある授業です。
過去には初等部の児童に手を出して学園から追い出された方もいるのですって!
怖いですわ……
私はあの人がお相手なら、構いませんけど♡
姉は既に婚約者が決まっているので、去年姉の所に来られた方達は魔術師団か、ボルネオール侯爵家に、就職希望の方々が殆どだったそうです。
因みに去年、姉の紹介で我が家に来た、文官のレベッカは平民出身ですが、たいへん優秀で母様の専属執事のアランと婚約しました。
アランは
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翌日……
私達、初等部の生徒は、大講堂に集まりました。
学園長先生から今回の【研修について】の説明を聞いた後、高等部の先輩が来るのを待ちます。
何となくボーっとしていたら、大講堂には既に高等部の先輩達が入って来ていました。
周りを見ると既に人集りの出来ている人もいます。
一応、制服はありますがどうやら派手な改造制服の方達の方が人気の様です。
私は改造制服ではないので、侯爵家だと気付かれなかった様ですね。
(実際には、美少女オーラで近づけない)
誰かお知り合いは、居ないかしら?
あ!1人居ました!!
母方の又従兄でラピス侯爵家の七男、魔術科二年のライネル兄様が……
ライネル兄様とは、小さい時によく姉と3人で隠れん坊をして遊びましたわね。
少し大きくなってからは、いろいろな本も読んで頂きました。
ライネル兄様、何処かしら?
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※1
第9話に出て来た人です。
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