久し振りに風邪をひく

 マスクを付け続けて約3年。ついに風邪をひいた。

 症状そのものは大したことはなく、喉が痛くなり、咳が出て、微熱が半日ほど出て、鼻水がとめどなく流れ、1週間くらいで治るという、いつものパターン。症状からして、おそらく新型ではなく旧型のコロナだろう。


 本来、この程度の風邪をひくことなど、いちいち報告するまでもないことだが、今回は特殊な事情を含んでいる。マスクの風邪予防効果がどれだけあるのか、という問題に関わってくるからである。



 COVID-19流行以前、私は1年に1回は必ず風邪をひいて熱を出していた。

 朝起きると喉が痛いことならしょっちゅうあった。当時は空気が乾燥しているから喉が痛くなるのだと思っていたが、実際には、乾燥が原因で喉が痛くなることはあまりない。もし朝起きて喉が痛かったら、ウィルス感染を疑ったほうがいい。


 COVID-19流行後、私は外出時にマスクを付けるようになったわけだが、その後、私は一度も風邪をひかなかった。

 喉が痛くなることもほとんどなくなった。今までは、冬になると毎朝のように喉が痛かったが、この3年は年に1回痛くなるかならないか、くらいまで減っていた。



 毎年必ず風邪をひいていた私が、マスクを付けるようになってから3年間、風邪をひかなかったことは事実である。

 ただ、私が風邪をひかなかったのは、私がマスクを付けていたからなのか、それとも、単に風邪の原因ウィルスに感染する機会が減ったからなのかについては、なんとも言えない。


 今年が去年までと異なるのは、政府がマスク着用要請を解除し、むしろ外せと宣伝した年だった、ということが挙げられる。未だにマスクを付けている人は多いが、外している人も増えてきた。

 また、今までは各店舗がアルコール消毒や検温を行うなどの防疫対策を施していたが、今年になって、だいぶその辺が緩くなってきている。


 つまり、実はマスクには大して風邪予防の効果はなく、単にこの3年は、風邪の原因と接触する機会が減ったからひかなかっただけ、という可能性もあるわけである。



 というわけで、私はマスク生活を続行するつもりでいる。これからますます風邪ウィルスとの接触機会は増えるだろうから、マスクの効果がよりはっきりとわかることになるだろう。



 あと、ひとつ実感として思うのは、風邪をひくときは、そもそも体調が崩れている時であるような気がする。最近、ちょっと無理をして疲れ気味だったところがあり、今回はその隙をウィルスに突かれた感があった。

 マスクの効果云々も重要だが、そもそも普段から体調を管理することで、仮に感染しても症状が出ない、あるいは軽くて済む確率が高まる、ということはあるかもしれない。


 ただ、それでいうと、無駄に健康な人は、無自覚に風邪ウィルスを周囲にバラ撒いている可能性があるから、症状がなくてもマスクを付けたほうが、周囲に迷惑をかけなくて済む、とも言えそうである。

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