第11話 後悔青年 1

「うぁあああ」

教室につき机に突っ伏して、僕は登校前のやらかしを冷静に考えて凹んでいた。


やらかしたかも知れない。いや完全にやらかした。

恥ずかしかった行動は200歩ぐらい譲って耐えたとしよう。あれは僕の取った行動だ。


でも、その後の更に恥ずかしいことは耐えれる気がしなかった。昼ごはんを中庭って言うめっちゃ目立つ場所で食べる。それも天音さんって言う美少女と一緒に食べる。さらに、その前段階で彼女の教室まで彼女を迎えに行く。


えっと、難易度がおかしい。千日回峰行ぐらいある。嘘、それは少し盛った。

天音さんに言って断ることも出来る。

でも僕の見栄とプライドが…


「どうしたんだい?そんな朝から奇声をあげて」

そんな風に声をかけたのは僕の友人の春風 圭介であった。

整った顔立ちで、性格も良く欠点が一見無い様に見えるこの男


「うるさい、シスコン。」

こいつはスパーウルトラハイパーミラクルギガンティックシスコンだった。


どのくらいかと言うと告白して来た女子に対して、『妹と仲良く出来なさそうだから無理』とか、上手く付き合ったとしても、圭介がシスコン過ぎて三日もった事がない。

更にシスコン過ぎて友達が少ない。

もちろん、こんなに強くあったのはやつ当たりだ。


「おかしいでしょ怜。圭介さんにだけ当たりきつく無いですか?」


「気のせいだよ。」


「絶対に気のせいじゃない。君はハイパーウルトラミラクルお人好しで通ってるでしょ。酷くないか?良いところに来た、徹。怜が圭介さんにだけ当たりきついって思うよね。」

圭介は少し遅れて教室に入って来た徹に対してそう言った。


昨日電話がかかって来てた恐らく僕と同様に問題ごとの渦中にいる人物だった。


こいつの顔もまたイケメンで同じ人間かってぐらいカッコいい顔をしている。しかし彼は人の顔を覚えられないので、めちゃくちゃ内向的で友達がいない。


僕の周囲の二人は僕らの学年ではイケメン二代巨塔であり、友達が少ない彼らと接触するために僕とコンタクトが必須なので、僕はハブ空港って呼ばれていたりいなかったりした。


「別にそうは思わないけど、君の日頃の行いが悪いんでしょ。」

そう徹は答えていた。


「お前もか、お前も当たりがきついのか。てか絶対なんかのやつ当たりだよな。よし分かった。今日の弁当のおかずを一個寄越せ、いや奪い取る。」

そう僕らの態度を見て圭介が朝からテンション高く高らかと宣言した。

あっ、でも僕が言葉が言う前に徹が


「ごめん、今日は先約があるからお昼一緒、食べれない。」

そう淡々と冷静に言った。


なるほど理解した。まあラッキーだった。それに続いて

「右に同じく」

僕もそう言った。


「お前ら、じゃあ圭介さんボッチ飯じゃんなあ。」

そう言ってこちらを睨んで来た。

僕は視線を左に、そして徹は右に逸らして

そして目があった。

徹と2秒程度目があった後に、


「「明日は一緒に食べるてあげるから、今日はボッチ飯頑張ってね。」」

そう慈悲深い笑みを徹と二人で圭介に向けた。


「お前らそんな表情でこっちを見るな、いいし、一人で食べるから。どうぞ何処にでも行ってくださいね、てか良いよシスコンの圭介さんは妹を呼んで妹と食べますから」

そう少し笑いながら圭介は言った。


だから僕は

「妹に断れないと良いね。」

そう言ってあげた。

そんな無駄話をしつつも、僕は昼休みをどうするかと言うことを考えまくっていた。

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