第8話 別れの予告は突然に来る

今日は7月24日。

佐倉を案内してもらった翌日。

俺ら4人は、公園でアイスを食べていた。

すると桜がこう言った。


「私、転校することになったの」


この衝撃の言葉に俺はどうすることも出来なかった。

仲良くなったばかりなのに、突然だったからだ。

俺自身、桜は本当にいい子で俺にとっては本当の友達だと感じる。

もちろん藍音も悠希も。


「どこ行くんだ…?」


重い口を開いたのは悠希。

悠希もこの事実を受け入れられないのだろう。


「鎌ヶ谷市」


近いのかもしれないが、俺らにとっては遠い。

友人と離れ離れになると考えただけで嫌になる。


「いつ引っ越すの…?」


藍音も桜にそう聞く。

藍音はよっぽど悲しそうだ。


「8月1日。 深夜くらいに佐倉を出るつもり」


彼女は悲しそうに話す。

彼女も転校したくないのだろう。

俺だって千代田区に住んでいた時もそうだった。

転校すると聞いた時は苦しさを覚えた。


「なあ、送別会しねえか?」


俺は沈黙を突き破って話す。

俺にとって桜にできることはこれしかないから。


「良いね」


「良いよ」


「楽しそう」


3人は了承してくれた。


「じゃあ私引越し準備あるから、またね…」


彼女は去った。

その後の俺らは沈黙を決めたままだった。


桜が居なくなるのは寂しいが仕方ないのだろう。

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