第6話 佐倉を知ろう【桜田藍音】

夏休みが始まって早三日が経っている。

今日はある1人の友人に佐倉を案内する事にした。

その友人は引っ越してきてまだ日が浅いから佐倉をそんなに知らない。

だから私が計画した。


「藍音、今日はありがとうな」


私にお礼を言う友人の名前は佐倉和樹さくらかずきと言う。

今日は和樹に案内をすることにしているのだ。

和樹はとても優しい性格をしていて周りには好かれている。

私も和樹のことを大事な友人だと感じている。


「いいって事だよ、佐倉市民になったからには教えないと」


私はそう和樹に返す。

せっかく佐倉という地に引っ越してきてくれたのだから案内しないと

行けないと感じていたからこれはこれで私的に満足だ。


しばらくすると、また1人の友人がこちらに来る。


「ごめんね、藍音ちゃんと和樹君遅れて」


そう私と和樹に謝る友人の名前は志津しづさくらと言う。

私の友人の中の一人で、1番仲の良い女の子だ。


「大丈夫だよ、遅れてないから安心して。 悠希は完全に遅れそうかもね」


私が話に名前を上げた友人は鈴木悠希すずきゆうきと言う。

悠希は和樹と桜と同じようにいい子で、時間にルーズな人間じゃない。


「遅れても、案内は逃げないから大丈夫だぞ」


「そうだねえ」


私たちがこう言っていると、悠希が来る。


「ごめん…遅れてしまって申し訳ない」


悠希が息を切らしながら言う。


集合時間は10時だったので間に合っていた。


「遅刻じゃないぞ? むしろ10分前だぞ?」


和樹悠希を落ち着かせていくためにそう言う。


「あ、マジ? 遅刻したと思って急いで走ってきたわ」


どうやら悠希は落ち着いたみたい。


「時間はちゃんと見なさい」


私は悠希にそう言った。


「ごめん、藍音」


悠希が謝ると、私は笑顔で返す


「別にいいよ」


桜の声で悠希は安心していた。


「じゃあ行こうか」


私が区切りをつけてそう言うと、志津駅へと歩き出した。

これから何をするかと言うと、和樹を駄菓子屋に連れていこうと思ったのだ。

ちなみに和樹含め三人には伝えていない。


「千代田区から引っ越す前は佐倉市を和樹は知ってたの?」


悠希が和樹に質問している。

確かに私も気になった。

和樹は佐倉市と言う市を知っていたのだろうか。


「知ってたよ、俺は佐倉に来てみたかったの。 でも行けなかった」


どうやら和樹は知っていたようだった。


「へえ〜、何で知ったの?」


悠希がまた質問する。

興味津々なんだろう。


「テレビで見たんだ。 佐倉新町通りを見た時に行ってみたいって思った」


嬉しそうに和樹は、悠希に話している。


「じゃあ藍音、和樹を新町通りに連れていかない?」


悠希が一通りに話を聞くと私に提案してくれた。

和樹の嬉しそうな顔を見て私は連れていこうと決めた。

駄菓子屋に連れていこうと思ったが、予定変更だ。


「そうしようか、悠希」


私は悠希の意見に賛成した。

新町通りは私も行ってみたいと思ったからだ。

って言うのもあるけれど、和樹には感謝しているからだ。


「和樹君、新町通り好きだったんだ。 私も好きだから一緒だね」


桜は嬉しそうに言う。


桜は本当に、新町通りが好きなんだなと思う。


しばらくして歩いていると、駅前に着く。

私達は、京成志津駅の改札を通りホームにいた。

京成佐倉駅行きの電車は10時30分に、志津駅に到着する。

それまで待っていた。


私は駅のベンチに桜と座って話をしていた。


「今日の空は快晴で綺麗で私は好きだよ。 藍音ちゃんはどう?」


桜にそう話しかけられる。

私達四人の共通点は、空が大好きなこと。

普通の空も大好きだけど、快晴の空も大好きだ。

だから私のスマホのカメラロールには空の写真が沢山ある。

でも四人の中で空が一番大好きなのは和樹だ。

和樹は、どんな地域の空も大好きで、「価値観すら変えれば綺麗な空になる」

と言っているくらいの好き度だ。


「私も綺麗で好き」


そんな会話をした直後、京成佐倉駅行きの電車が1番線ホームに到着する。

それに私達は乗り込んだ。

京成臼井駅から遠ざかるほど、田んぼと快晴の空が目に映り込む。


そして京成佐倉駅に到着する。

駅前はタクシーロータリーやコンビニが並んでいる。

ここからは新町通りに詳しい桜に案内をしてもらう事にした。


「どう? 綺麗でしょ?」


「ああ、夢に見た新町は綺麗だな…」


和樹は新町通りに感動していた。


街並みが綺麗すぎて、和樹は感動していた。


「和樹が感動してるな、藍音…」


「和樹にとってこの新町通りは幸せなのよ…」


私と悠希は歩きながらそう呟く。


そこから佐倉新町を歩き、私達は京成佐倉駅に帰る。


私達はその後電車に乗り、志津に帰った。


私達は満足だった。


行けてよかった。


和樹に感謝だ。


ありがとう。



















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