第4話 佐倉を知ろう【佐倉和樹】

夏休みが始まって早3日。

今日は町案内を三人の友人にしてもらうことにした。

三人の友人とは、藍音と悠希と桜の事だ。

あの転校初日に話してから仲良くなった。


「藍音、今日はありがとうな」


俺は来るなり、藍音にお礼を言う。

この案内を考えてくれたのは藍音だからだ。

だからとても彼女には感謝している。


「いいって事だよ、佐倉市民になったからには教えないと」


藍音は笑顔でそう言った。

彼女はいつも頼りになってくれて、助かっている。


「ごめんね、藍音ちゃんと和樹君遅れて」


桜が急いでくる。

まだ集合時間の10時まで10分前なのに。


「大丈夫だよ、遅れてないから安心して。 悠希は完全に遅れそうかもね」


「あいつが遅れても、案内は逃げないから大丈夫だぞ」


「そうだねえ」


俺らがそんなこと言っていると、悠希が走ってくる。


「ごめん…遅れてしまって申し訳ない」


あいつが息を切らしながら言う。

別に遅刻じゃないんだけど。


「遅刻じゃないぞ? むしろ10分前だぞ?」


俺は悠希を落ち着かせていくために、真実を言う。


「あ、マジ? 遅刻したと思って急いで走ってきたわ」


どうやらこいつは落ち着いたようだ。


「時間はちゃんと見なさい」


藍音に悠希がそう言われている


「ごめん、藍音」


悠希が謝ると、藍音は笑顔だった。


「別にいいよ」


桜の声で悠希は安心していた。


「じゃあ行こうか」


藍音がそう言って、俺らは歩き出した。

どうやら、志津駅前まで行くみたいだ。

何をするかは知らないが。


「千代田区から引っ越す前は佐倉市を和樹は知ってたの?」


悠希に言われる。

俺は千代田区から引っ越してくる前は佐倉市と言う市が千葉にある事は知っていた。

俺は城下町が好きで、佐倉市を知った時は行ってみたい気持ちが大きかった。

でも、忙しくてなかなか行けなかった。


「知ってたよ、俺は佐倉に来てみたかったの。 でも行けなかった」


「へえ〜、何で知ったの?」


「テレビで見たんだ。 佐倉新町通りを見た時に行ってみたいって思った」


「じゃあ藍音、和樹を新町通りに連れていかない?」


悠希が、そう言ってくれた。

本当に悠希は俺を助けてくれるし、感謝だ。


「そうしようか、悠希」


藍音もそう言ってくれた。


「和樹君、新町通り好きだったんだ。 私も好きだから一緒だね」


桜は嬉しそうに言う。

桜は本当に、新町通りが好きなんだなと思う。


しばらくして歩いていると、駅前に着く。

俺らは、京成志津駅の改札を通りホームにいた。

京成佐倉駅行きの電車は10時30分に、志津駅に到着する。

それまで待っていた。


佐倉の空は快晴で、綺麗だ。

空ってどこの地も変わらないと思うかもしれないが、そんなことは無い。

価値観すら変えれば綺麗な空になる。

どこも一緒じゃないんだ。


すると、京成佐倉駅行きの電車が1番線ホームに到着する。

それに俺らは乗り込んで、電車は出発する。

京成臼井駅から遠ざかるほど目の前には田んぼが見える。

綺麗だと思う。


俺らの乗る電車は終点、京成佐倉駅に到着する。

駅前に出ると、タクシーロータリーやコンビニが並んでいる。

ここからは新町に詳しい桜に案内して貰うことにした。


「どう? 綺麗でしょ?」


「ああ、夢に見た新町は綺麗だな…」


俺は新町通りに感動する。

街並みが綺麗すぎて、俺は感動したんだ。


「和樹が感動してるな、藍音…」


「和樹にとってこの新町通りは幸せなのよ…」


歩きながらそう静かに呟く悠希と藍音。


そこから佐倉新町を歩き、俺らは京成佐倉駅に帰る。


俺らはその後電車に乗り、志津に帰った。


俺らは満足だった。


ああ、楽しかったな。











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