第87話 一年前(Side ????)

「コォン! (【エアカッター】!)」

「ゲギャアァ……!」


 風魔法の【エアカッター】を放ったら、目の前の気持ち悪い魔物を倒すことができた。

 ママが言うには、この魔物はゴブリンといってどこにでもいる魔物なんだって。

 「倒しても倒しても沸いて出てくるからうっとおしい」って、ママが言ってたよ。

 それと、「一匹いたら近くに五十匹はいると思ってたほうがいい」とも言ってた。

 ゴブリンってそんなにたくさんいるのかな? ちょっと気になる。


『良くできました。流石私の娘ね』

『えへへ』


 魔法を教えてもらい出してニ年ほど経ち、今では弱い魔物と戦ったりもしている。

 ママが見ている前で、って条件付きだけどね。


 私の種族は風魔法に必ず適正があって、他にも個体によって様々な属性に適正があるとママが教えてくれた。

 だけど、私はママが使える水、土、回復魔法に適正がないみたいで、風魔法しか教えてもらうことができなかった。

 ほかの魔法が練習できないのは悲しいけど、そのぶん風魔法の練習に時間を費やしたから、風魔法にはすごく自信があるよ。

 だって、中級の魔法まで使えるからね。

 ママが「もう中級まで習得したのは、冗談や贔屓はなしですごいことなんだよ」って言ってたから、きっとすごいことなんだと思う。


 それよりも、そもそも私ってなんの魔法に適正があるんだろう?

 ママに聞いても、流石に他人の適正はわからないみたいだしなぁ。


 【あなたには風魔法のほかに闇魔法の適正があります。ほかにも、進化することで適正が増えるかもしれません。】


「コォン!? (え? え? なにこれ?)」

『何かあったの?』

『え? い、いや、なんでもないよ』


 今のはなんだったのかな? 頭のなかに直接声が響いてきたんだけど。


 【私は鑑定というスキルです。正確には中の人です。まずは、ステータスと念じるか唱えてください。】


 また、頭のなかに声が響いてきた。

 きれいな女の人の声だ。

 よくわからないけど、なんだか優しい感じがするし言われた通りにしてみようかな。


「コン(ステータス)」


------------------------


種族:エレメンタルテイル Lv13

名前:なし

状態異常:なし


体力 :265/265

魔力 :263/263

攻撃力:196

防御力:188

魔法力:277

素早さ:234

ランク:C-


固有スキル

【鑑定】【言語翻訳】【獲得経験値倍化】【方向把握】


スキル

【噛みつきLv2】【爪撃Lv2】【テイルアタックLv1】【エアカッターLv6】【エアショットLv6】【ウィンドスラッシュLv3】【ウィンドショットLv2】【トルネードLv1】【気配察知Lv2】


耐性スキル

【風属性耐性Lv3】【闇属性耐性Lv1】【魔法耐性Lv1】【毒耐性Lv2】


称号

【転生者】【愛され狐】【もふもふ】【半精霊】


------------------------


 なにこれ? なにかいろいろと書かれたのが目の前の空間に浮かび上がってきた。

 でも、不思議と気持ち悪さは感じない。

 それから、書かれていることについてはなぜか読めるけど、意味がわからない。

 スキルとかってなんなの?


 【それはですね……】






◇◇◇◇



 そのあと、【鑑定】と名乗る人にいろいろと教えてもらった。

 たっぷりと時間をかけて教えてもらったおかげで、スキルと呼ばれるものや自分の身体能力なんかについて知ることができたよ。

 あとでママにもステータスについて聞いてみたが、ママはステータスのことについて何も知らないみたい。

 理由を【鑑定】さんに聞いたら、基本魔物は字が読めないからステータスの概念が存在しないって言われた。

 私も人間が使ってるような字を勉強したことはないけど、スキルの【言語翻訳】というもののおかげで読めるみたい。


 ステータスなんかは難しくてまだ完全に覚えきれてないけど、いろいろと便利そうだから使いこなせるようになりたいな。

 それから、【鑑定】さんが「困ったことがあったらいつでも言って」って言ってくれたし、魔法のことについてとかいろいろと教えてもらおう。

 もしかしたら、闇魔法の使い方について教えてくれるかも。


 なんか、いろいろと考えてたら魔法の練習がしたくなってきたな。

 明日も練習頑張ろっと。

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