【商業化!】不知火の炎鳥転生~転生したら産まれたての魔物でした。炎の魔法を駆使して魔物を倒して勝ち上がり、進化を重ねて最強に。最弱のひな鳥から始まる成り上がり冒険譚~
第49話 異世界初のまともな食事はおいしかった
第49話 異世界初のまともな食事はおいしかった
俺たちは今、川沿いを歩いて北上している。
ゼストたちをゴブリン集落まで案内することになったので、昨日と同じルートで案内しているところだ。
川沿いを北上し始めてちょっと経ったくらいで、アリスがお腹が空いたからご飯にしようと言い出した。
「腹減ったって……。まだ昼前だろ」
「もうちょっと歩こうよ」
ゼストの言う通り、今はまだ十一時すぎくらいだ。
腹減るの早くないか。
「歩き続けてるからたくさんエネルギー使うのよ」
「せめてあと三十分してから飯にしようぜ」
「歩き続けてるのは私たちも同じだよ、アリス」
多数決で三十分後に飯にすることになった。
三十分もあれば、俺が川から西へ向かったポイントまで行けるだろうからちょうどいいな。
あとゼストたちはなにも警戒せず進んでいるように見えるが、実際は【気配察知】や【敵意察知】を使って周囲の警戒をしている。
もちろん俺も【気配察知】に集中しているぞ。
それから何事もなく三十分ほど歩き続け、西へ向かうポイントまでついた。
ゼストたちは身体能力が高く歩くのも常人よりすこし早かったので、昨日俺が歩いた時よりも早くここまで来ることができた。
まあ、俺は体の大きさ的に歩幅が小さいというのもあるが。
今回は飛んで移動していたので、みんなと同じ速さで移動することができたぞ。
俺が止まって「ピュイ」と声をかけると、意図を察してか「この辺で飯にしよう」とゼストが言い出してくれた。
アリスが「やっとご飯が食べられるー」と喜びながらシートを出して、ご飯を食べる準備をしてくれた。
「リア、いつものやつ頼むぜ」
「うん、任せて。【クリーン】!」
リアが【クリーン】というと、小さな風がゼストの周りに発生した。
リアは同じように自分とアリス、それから俺にも【クリーン】をかけてくれた。
何をしたのか分からず俺が首をかしげていると、それに気づいたリアが今の魔法について教えてくれた。
今のは、風魔法を応用して体についた砂埃などの汚れを、風によって払い落とすという魔法らしい。
すごく便利な魔法だな。
シートを敷いたアリスが、【次元収納】の中から薄い青色の石を取り出した。
アリスがその石になにかをすると、なんと青色の石から水が出てきた。
ゼストたちはその水で手を洗っている。
最後に一応俺も翼を洗わせてもらった。
みんなが洗ったあと、急に石から出てきていた水が止まった。
すごい石だな。
あの石は、もしかしたら魔石という奴なのかもしれない。
ファンタジーの定番のアレだ。
おそらくあれは水の魔石かそれに似たようなもので、なにかをすると水が出てくる仕組みになっているんだろう。
おそらく、魔力を込めたら水が出てくるというような感じだと思う。
アリスが水の魔石(仮)をしまったあと、みんなでシートの上に座った。
今回は俺も含め、四人で円になるような形で座っている。
アリスが【次元収納】を使うと、中から暖かいシチューのようなスープが入った鍋と黒パンだと思われるようなものがでてきた。
シチューっぽいのがほかほかで湯気が出てる状態で出てきたので驚いていると、アリスが「私の【次元収納】は時間経過がものすごく遅いからできたてほかほかの状態で食べられるのよ!」とドヤ顔で説明してきた。
素直にすごいと思う。
いつでもできたてに近い状態で飯が食えるとか最高だな。
アリスの説明に対して、ゼストが「アリスのは、時間経過がなくなる一歩手前らしい」と補足してくれた。
ただ、時間経過をなくすほうに努力しすぎて、収納スペースの広さのほうはそこまででもないそうだ。
アリス曰く、今はそちらのほうを努力しているとのこと。
実はアリスって想像以上にすごいのかもしれないな。
これからも【次元収納】の練習頑張ってくれ。
ゼストが、アリスが出した皿にシチューっぽいのを盛り付けていく。
ゼストが俺の分をついでくれた時に、たくさん食べるかと聞かれたが断っておいた。
今の俺はかなり燃費が良く、アップルンひとつで1日活動できるほどだ(ゴブリン集落の時のようなすごく激しい戦闘などをしない限りだが)。
クナの実を食べたのもあって腹はあまり減っていなかったが、この世界の食事は食べてみたかったので少しだけもらうことにした。
それに、完全に断ったら厚意を無下にするようで悪いしね。
シチューっぽいのを食べてみると、野菜や肉の味が口の中にあふれてきてとてもおいしかった。
コクのある味わいで、野菜や肉の旨みがいい具合に混ざっている。
米と一緒に食べたら最高にうまいだろうな。
黒パンのほうは、食べやすいようにとリアが小さくちぎってくれた。
ラノベの黒パンは物凄く硬かったりするのだが、この黒パンはかなり柔らかく香ばしさもあるのでとてもおいしい。
試しにシチューっぽいのと一緒に食べてみたが、これがものすごく合う。
久々にちゃんとした料理を食べたことのもあって、ものすごくおいしく頂くことができたな。
ゼストたちのほうを見てみるが、みんなおいしそうに食べていた。
食べ終わったあとにアリスとリアからおいしかったか聞かれたので、頷いておいしかったと伝えておいた。
ゼストの話によると、今のスープとパンは行きつけの店で買ったものとのことだ。
飯を俺にも食べさせてくれたことに対して、改めて頭を下げてお礼をする。
「気にしなくてもいいよ」
「そんなことより道案内頼むわよ」
「俺たちは道案内してもらってるんだから、飯はその礼だ」
ホントいいやつらだよな。
最初にコンタクトを取った異世界人がゼストたちでよかったとしみじみと感じるよ。
昼飯を食べて十分ほど休憩してから、ゴブリン集落へ向けて出発した。
ゼストたちのペースだと、三十分程度あれば着くだろう。
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