第10話 毒草見つけたけど、いつか役に立つんかね?

 スライムを倒したことで、レベルは2から3へと上がっていた。

 今のステータスがこれだ。


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種族:ベビーバード(変異種) Lv3

名前:なし

状態異常:なし


体力 :33/36

魔力 :14/20

攻撃力:19

防御力:15

魔法力:18

素早さ:23

ランク:G


固有スキル

【飛翔Lv2】【鑑定】【言語翻訳】【獲得経験値倍化】


スキル

【つつくLv2】【爪撃Lv2】【ファイアーボールLv2】


耐性スキル

【炎属性耐性Lv1】


称号

【変異種】【転生者】【産まれたて】【草に敗れし者】【おっちょこちょい】


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 レベルが上がったことでステータスの数値も上がっている。

 レベル1のスライムくらいなら、さっきよりも楽に倒せるだろう。

 スキルレベルは【つつく】が1から2へ上がっていた。

 俺としては【爪撃】や【ファイアーボール】のほうが上がってほしかった。

 【つつく】が上がっても、なんかうれしい気分にならないんだよな。


 今の俺が安全にレベルを上げようと思ったら、ちょうどいい相手は多分ベビースライムくらいしかいないだろう。

 もしかしたらほかにもいるかもしれないけど、そもそもほかの生物と遭遇しないからはっきりとはわからない。

 そのベビースライムがこの付近にまだいる可能性は高い。

 鑑定でも、スライムは世界中どこにでもいるって出てきたくらいだしな。


 今後の行動としては、アップルンを毎日採りに来るのは確定。

 食事と水分がとれなかったら死んでしまうしな。

 その行き帰りでベビースライムを探して、手ごろなやつがいれば倒してレベルアップを図る。

 そして進化する。

 この流れでいいな。 


 活動範囲を広げるのは、進化して今より強くなってからのほうがいいだろう。

 どんな危険があるかわからないし、魔獣なんかに遭遇しても今のままでは勝ち目はないだろうからな。


 ただ、巣からアップルンの生えているところまでの道のりも安全というわけではない。

 ベビースライムしか見てないから、森の中では比較的安全なほうだとは思うが。

 でも絶対安全というわけではないし、アップルンが生えている場所には強い魔獣が来る可能性もある。

 だから積極的にスライムを探して狩り、強くなっておくべきだろう。

 強くなればなった分だけ、生活のほうにも余裕が生まれるだろうしな。


 そんなことを考えながら移動していたら、いつのまにかアップルンの生えてるところの近くまで来ていた。

 遠くから様子を見てみるが、アップルンのそばに魔獣は居ないようだ。

 早めに採ってさっさと帰ろう。


 昨日アップルンを採った木に近づいたとき、食われた痕のあるアップルンを見つけた。

 昨日はなかったはずだから、やはりほかの魔獣も食いに来ている可能性が高いな。


 そうだ、採って帰る前にひとつだけここで食べていこう。

 そうすれば水分とエネルギーを確保できるので、巣に持って帰ったアップルンが何らかの理由で食べられないようなことが起こっても、余裕を持って活動することができる。


 のんびりしてたらほかの魔獣が来るかもしれないのでさっさと食べる。

 やっぱうめえな、アップルン。


 アップルンを食べ終わったので、昨日と同じようにアップルンをひとつだけ採る。

 あとは巣まで持って帰るだけだ。

 当然だが、気を緩めたりせず周りの警戒をしながら帰るぞ。


 スライムを見つけることはできなかったが、特に襲われることもなく巣まで帰ってこれた。

 今の時間はおそらく昼の三時過ぎくらいだろう。

 やることもないので巣の周辺、巣から歩いて三十分ほどの範囲を探索しようと思う。

 今の俺の足で三十分なら大した距離ではないので、そこまで大きな危険は潜んでないはずだ。


 長いこと探してみたが、めぼしい成果はなかった。

 スライムはいないし、食べられるような植物や香草なんかはひとつも見つからなかった。

 どこを見ても草と木しかないし、唯一見つけたのは毒草の群生地だけだった。

 毒草なんて俺にどないせいっちゅうねん!

 どう活用すればええって……まてよ?

 この毒草を罠として使えねえかな。


 この毒草は【鑑定】したところ、名をドクダミ草というらしい。

 地球にもドクダミって名前の草かなんかがあったような気がするな。

 このドクダミ草に含まれている麻痺毒は結構強いらしく、G~Dランクの魔獣だとドクダミ草一本摂取するだけで、動けなくなるやつが多いらしい。

 これをうまく罠として使えたら、狩りやレベル上げをしやすくなりそうだ。


 どう使うかはあとで考えるとして、できるだけ多く巣に持って帰ろう。

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