第9話 決着! 最底辺の戦い! 産まれたて最弱鳥VS産まれたてスライム

【鑑定】!


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種族:ベビースライム Lv1

名前:なし

状態異常:なし


体力 :25/25

魔力 :9/9

攻撃力:10

防御力:14

魔法力:3

素早さ:6

ランク:G


固有スキル

【触手Lv1】【分裂Lv1】


スキル

【捕食Lv1】【受け流しLv1】【再生Lv1】


耐性スキル

【物理耐性Lv1】【魔法耐性Lv1】


称号

【産まれたて】


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 このステータスなら勝てる!

 レベルは1だけどワームよりステータス高いし、もらえる経験値だとこっちのほうが多そうだ。


 そういえば、ラノベだとスライムって出てくる作品によって見た目が結構変わるよな。

 ドラ〇エみたいに団子のような形をしたやつや、不定形のドロドロしたやつまで様々だ。

 中には、人やほかの生物の形をとってたりと、結構変わったやつまでいる。


 目の前のスライムはドラ〇エのやつに似た形をしているほうのタイプだ。

 体の中には、核のような球体がある。

 おそらくあれが弱点なんだと思う。

 体の色は薄い水色をしていて透き通っているので、核っぽいものの位置はまるわかりだ。


 一応戦う前にベビースライムの説明出してくれ。


 【ベビースライム Gランク】

 【産まれたてのスライム。とても弱くすぐ死ぬことがほとんど。スライムより上の種に進化する個体は少ない。魔素のある場所ならどこでも生まれる。頻繁に分裂するので世界中のいたるところに生息している。】


 魔素ってなんだ? これはまだ聞いたことのない単語だ。

 予想はつくけど、調べとこう。


 【魔素とは大気中に含まれる魔力のこと。呼び方が違うだけで魔素も魔力も同じ物質である。魔素が多い場所では強い魔獣の発生率が高まる。】


 予想通り。

 よくラノベなんかで魔素から魔獣が発生するっていう設定があるけど、この世界も同じ感じみたいだ。


 スキルのほうは特に気になるのはないな。

 スライムの攻撃手段は【触手】ぐらいだし、危険は少ないな。

 ステータス面でも俺が勝ってるからかなり有利だ。

 そういえば、ラノベなんかだとスライムは火に弱かったりするけど、この世界のベビースライムはどうなんだろう?

 火が有効なら遠距離から一方的に攻撃できるから、弱点であってくれると助かるが。

 よし、【ファイアーボール】!


 スライムに【ファイアーボール】をぶつけてみるが、四秒ほど燃えたあとすぐに火は消えてしまった。

 炎の中から出てきたベビースライムを見るが、あまり効いているようには見えない。

 【鑑定】で確認するのが一番手っ取り早いか。

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種族:ベビースライム Lv1


体力 :24/25

魔力 :9/9


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 全然効いてねえ。

 特に火が弱点とかそういうわけじゃなさそうだな。

 あと二十四回【ファイアーボール】を使えば簡単に倒せるが、魔力が途中で足りなくなることは目に見えている。

 コイツを倒して経験値を手に入れるためには、接近して物理攻撃で倒すしかなさそうだ。

 ステータス面では攻撃力もスピードも俺が勝っているので、よほどのことがない限り勝てるだろう。

 スライムの攻撃力は俺の防御力よりも低いので、数回程度の攻撃ならくらっても大丈夫なはずだ。


 地面を蹴って走り、スライムに近づく。

 そのままの勢いで【爪撃】を核めがけて放ったが、スライムは体内の核を移動させて俺の爪があたらないように守りつつも、【物理耐性】で衝撃を減らし【受け流し】で俺の攻撃をきれいに流してきた。

 スライムは【触手】を鞭のように使い反撃してきたが、それほど速いわけでもなかったので簡単に躱すことができた。

 受け流されるのは厄介だが、攻撃面はやはり大したことないな。

 躱した直後に【ファイアーボール】を放ち、スライムを足止めしてる間に距離を取り攻撃されないようにする。


 距離を取った後に【鑑定】を使ったが、今の一連の攻撃で3ダメージしか与えられてなかった。

 スライムは【再生】のスキルも持ってたし、このまま長引くと面倒だな。

 何とか直接核に攻撃できる方法はないのだろうか。


 ……そうだ! スライムが受け流せない速度で突っ込めば核に当てられねえかな。

 当たり前だが【飛翔】なら地面を走るより早く移動できる。

 木の上から全体重を乗せた全速力の滑空で突っ込めば、【つつく】で核ごと体を貫ける可能性はある。

 これは試してみるべきだな。

 決まれば一気に決着をつけることができる。


 近くの木の上に上り、スライムに狙いを定めた。

 スライムは移動速度が非常に遅いので、細かい制御のできない【飛翔Lv2】でも充分当てられる。

 枝を強く蹴り飛ばし、全速力でスライムめがけて滑空する。

 【ファイアーボール】を目くらまし代わりに一発ぶつける。

 スライムからだと火が邪魔でこちらは見えないはずだが、危険を察知したのか【触手】を伸ばして攻撃してきた。

 しかし、【ファイアーボール】の目くらましが活きたのか、こちらに迫る【触手】の軌道はやや逸れていた。


 変に躱そうとすれば制御できずにスピードと威力を失うのは目に見えているので、【触手】をよけることなくまっすぐ突っ込む。

 触手にぶつかって痛いが気にしてる暇はない。

 俺はそのままベビースライムに突っ込んだ。

 【触手】にぶつかったことでちょっとだけ速度が落ちてしまったが、全体重を乗せた一撃は受け止めきれなかったようで、無事ベビースライムの核を貫通することができた。


 核を貫かれたスライムは、核だけ残して粘体の部分は消えてしまった。

 なんで粘体だけ消えるのか謎だな。

 残った核を【鑑定】することで倒したことは確認済みなので、死んだふりをしてるだけで奇襲されるようなこともない。


 核を【鑑定】したことでわかったが、スライムには核のないタイプもいるようだ。

 どちらも倒したら消えてしまうようだが、核のあるタイプは倒したら核だけ残るようだ。


 スライムを倒したことで俺のレベルは2から3に上がっていた。

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