【商業化!】不知火の炎鳥転生~転生したら産まれたての魔物でした。炎の魔法を駆使して魔物を倒して勝ち上がり、進化を重ねて最強に。最弱のひな鳥から始まる成り上がり冒険譚~
第5話 ステータス検証~今襲われたら詰む~
第5話 ステータス検証~今襲われたら詰む~
一通り鑑定したので、自分のスキルについて詳しく知ることはできた。
ただどのようなことができるか分かっただけだから、威力なんかを検証する必要があるな。
ちなみに、【鑑定】は声に出さずとも念じるだけで出てきた。
声が出せない状況なんかでも【鑑定】が使えるのは便利だ。
あと、ラノベなんかによっては鑑定されたら気づかれたりするような作品もあるが、この世界では大丈夫そうだ。
グリフォンを鑑定したときは、特に反応してなかったからな。
もしかしたら鑑定察知のようなスキルがあるかもしれないので、それにだけ気をつけておこう。
まずは【飛翔】を試すことにしよう。
使い方というか飛び方というか、それはなんとなく頭に入ってるから不思議だ。
日本にいたころに鳥の骨格とかどうやって飛ぶのかとか、そういったことを調べたわけではないんだがな。
【ファイアーボール】の使い方もなんとなく分かるから、スキルを手に入れたら本能で使い方がなんとなくわかるようになるって可能性が高そうだ。
あとは、今の俺の鳥としての本能の部分で理解できてる可能性もある。
いろいろ考えてても仕方ないし、【飛翔】を使って木から降りてみよう。
俺は翼を広げて一歩踏み出す。
「ピュイ! (とう!)」
必死にはばたきながら滑空し、地面に着地する。
失敗して転びました。結構痛いです。
自分で言うのもあれだが、今のはさすがに不格好すぎる。
飛んでるというより、かっこ悪く落っこちてるだけだった。
せめてしゃべるロボのおもちゃみたいにかっこよく落ちれるようになりたい。
地面にいる状態から飛べるかどうかの検証もしとかないとな。
地面を強く蹴り飛ばし、はばたいて飛んでみる。
少しだけなら飛ぶことができた。
といっても、ほぼジャンプに近い感じだけど。
全然飛べないのは、スキルレベルがまだ1だからだろう。
グリフォンの【飛翔】はレベルMaxだったから、スキルレベルを上げていけば俺も飛べるようになるはずだ。
練習あるのみだな。
そもそも俺の体は産まれたてのはずなのに、なんで飛べるんだろうか?
地球の鳥で産まれてすぐ飛べる鳥なんて聞いたことないし、これも異世界の不思議パワーによるものなのだろうか?
……次行くか。
考えてもわからんことに時間をかける必要はない。
次は【つつく】をためしてみよう。
俺は近くにあった細長くて、少し硬そうな茎をしている植物に近づいた。
……覚悟を決めてクチバシを茎に突き立てた。
「ピュイィィイ! (痛ぇ、クチバシ折れる!)」
わかってたけど威力なさ過ぎた。
というか想像以上に弱い。
ちょっと堅めの植物の茎にすら勝てんとは思わなかったよ。
次は【爪撃】だ。
草に負けたままなのは嫌なので、もう一度同じ植物を攻撃する。
「ピュイ! ピュイ!」
一度目の攻撃で茎がちぎれかけたので、もう一度攻撃すると完全にちぎれた。
やった! やってやった! 俺は草に勝ったんや!
自分の弱さを実感してたのもあって、植物に勝っただけなのに無性にうれしくなってしまった。
【爪撃】の使い勝手は割とよさそうだ。
威力は高くないが、それは俺がレベルアップすることで改善されると思うので、今後の成長に期待ということで。
最後は【ファイアーボール】だな。
【爪撃】で倒した植物の隣に、同じ植物がもう一本だけ生えていたのでそれを的にする。
周りには草の生えていない地面が広がっているので、【ファイアーボール】が引火して火事になるようなことはないだろう。
【ファイアーボール】を使うと念じながら魔力を込めると、俺の前にソフトボールぐらいの火の球が現れた。
これが……魔法っ!
ちなみにこの魔力に関してだが、これの込め方とか操り方もなんとなく分かった。
おかげで、一発で魔法は成功したようだ。
「ピュイィィイ! ピュイ! (さっきまでの俺と同じだと思うなよ! くらえ、【ファイアーボール】!)」
俺の放った火球は一発で植物を燃やし尽くした。
「ピュイイ。ピュイ! (お前は強かった。さらば
なんか、魔法を初めて使えたことの喜びでさっきから変なことばかり口走ってるな、俺。
込める魔力の量によって火球の大きさを変えられそうだが、俺の魔力は少ないしさっきの大きさが燃費がいいので、できるだけこのままでいこうと思う。
魔力はスキルを使うときに消費するようだが、全部のスキルが消費されるわけではないようだ。
【爪撃】と【つつく】は魔力の消費はなかったが、【ファイアーボール】を使った後はステータスの魔力の数値が減っていた。
主に直接攻撃するようなスキルは消費無しで、魔法なんかのスキルだと消費されるんだと思う。
スキルレベルが上がったかどうか知るためにステータスをじっくりと見たが、変化はなかった。
だが、新しい称号が増えてることに気づいた。
検証中は簡易ステータスしか見てなかったから気づかなかったな。どれどれ……。
------------------------
称号
【変異種】【転生者】【産まれたて】【草に敗れし男】
------------------------
なんだよ! 【草に敗れし男】って!
【草に勝負を挑んで負けた男。哀れ。】
説明文出さんでいいよ! というか、これ考えたやつだれだよ!
これがホンマのアホウドリってか! やかましいわ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます