第59話
「今日はありがとう」
「あ、ああ……」
夕方の五時を回り、ようやく本田さんの夏休みの宿題をすべて終わらせることができた。
約四十日間という長期休暇ということもあって、量はバカにできないほどだったが……まぁいいや。いろいろと思うところはあるが、今後は絶対にやめていただきたい。でなければ、貴重な時間がなくなってしまうからな!
何はともあれ、玄関先で本田さんを軽く見送った後、再び一人となってしまった室内を見渡す。
「……そういや、洗濯も掃除もしてなかったな」
勉強の合間にやる予定だった家事が何一つとして手についていない。
今から洗濯と掃除をすれば、あっという間に一時間は経過してしまうし、その後は夕食の準備をして、風呂にも入らなくちゃいけない。そしたらまた食器類を洗ったり、脱いだ服やバスタオルなどを洗濯にかけたりしなくちゃいけないし……結局、ほとんど勉強できねーじゃねーか。
明日は、二学期最初の登校日。
初日から寝坊、遅刻はしたくないから早めに寝床につきたいし……考えたところで仕方がないか。
とりあえず勉強の時間を確保するためにもすぐに取り掛かった方がいい。
本田さんの夏休みの宿題の次は、家事に追われてしまう俺氏だった……。
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