第38話

 あれ以降、綾小路は夕食時にも顔を見せることなく、ずっと部屋に引きこもったままになってしまった。

 何度か話をしようと部屋に向かおうとしたのだが、林田さんに止められ、結局何もできずじまい。気を取り直して、受験勉強にでも打ち込もうとしたのだが、やはり気乗りしないのか、まったく捗らなかった。

 あれだけどうでもいい存在だとばかり思っていたのに……。

 俺からしてみれば、多額な給料を払ってくれるだけのやつだと割り切っていたのに……。

 どうしてこんなにも悩まなくちゃならないんだ。

 おかげさまで勉強の妨害だ。本人がいないというのに邪魔をしてくるなんてどんだけ厚かましいやつなんだよ。予定していたことが何もかも狂ったじゃねーか。

 あいつのことを考えただけ無駄だ。結局のところは当人同士の問題。俺がでしゃばることでもない。

 それに――あとはあいつ自身の判断に任せるって決めたじゃねーか……。

 スマホで時間を確認すると午後十時過ぎ。

 俺以外誰もいないリビングにはただ静寂だけが漂っていた。


【あとがき】

 雨すごくね?!

 九州地方いつになったら太陽を拝むことができるのか……ちなみに来週までの予報ではすべて雨マークでした

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