第30話
旅行当日。
俺は新居となるマンションの一室にて、最後の荷物確認をしていた。
宿泊場所は旅館と聞いているため、さほど着替えは必要ないとは思うが、念の為二着は用意してある。勉強道具もスーツケースの約半分を占め、その他衛生用品もしっかりと準備万端だ。忘れ物はひとまずなし。もし、何か必要であれば、近くのコンビニとかで再度購入すれば問題ないだろう。
最後の確認を終え、スマホで時間を確認すると、午前七時半。待ち合わせは午前九時に綾小路邸となっている。このマンションから綾小路邸までは徒歩で十分もかからない。その辺を鑑みると、まだまだ時間的には余裕がありそうだ。
――朝食でも摂るか。
そう言えば、まだ起きてから何も食べていなかった。適当に食パンでも貪って、残りの時間は受験勉強にでも費やそう。こんな日の時まで勉強だなんてアホだなとか思われるかもしれないけど、俺は根っからのバカだ。勉強をして、成績を残すことしか頭にない。それだけが俺の生きがいでもあり、存在意義でもあるから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます