第2話 遭遇
「すいません!」
声がこちらに投げかけられる
それに驚く
「人います?」
「そうやな一回カメラ止めるか?」
松本は二宮に確認をとり
その問いに二宮は即答した
この森の中人に会うことに驚きが隠せない
一度カメラを止めて声の方に光を当てる
すると
ぬっと人影が立ち上がる
メガネにマスク・・・派手なズボン・・・
彼は!!
「タケウチカメラやん!」
二宮が声を上げる
「え?ゼロさんですか??」
向こうも聞き覚えあるのかすぐに声が返ってくる
「ほんまですね!!」
松本が喜々として答えた
「あー!ゼロさん!!どうも~」
声を上げてこちらに近づく
実際での対面は初めて
だがお互いに認識のある間柄ではあった
「どうも~はじめまして」
彼がそう言いながらこちらへと向かってくる
「こちらこそはじめまして」
その言葉と同時に二人とも歩を進める
「こんなところで会うなんてな?タケウチ君でいいかな?どうしてここに?」
二宮は純粋に尋ねた
「はい、そう呼んでもらっていいです。今回はちょっと遠征の映像を撮ろうとこちらにきてまして、ゼロさんもここで?」
「そうやねん、この森はなんかあるって松本が言っててな?なんか多いんやろ?その・・・自殺者が?」
彼の言葉に二宮が答える
そしてそのまま話を松本に振った
「そうなんです、この場所はなんかそういうの多いみたいで地元では呼ばれてここに集まるんじゃないっかて・・・でもよくこの場所選びましたね?ここは地元ではって感じなのでなかなか珍しいところといいますか・・・知る人ぞ知るって感じなんで」
松本の答えに彼は
「今まで有名なところと言いますか、そういうところばかりだったので今回はすこし趣向を変えてみまして、それで調べていたらここにっという流れです」
「なるほど、いつも新しいネタ考えてますもんね、タケウチさんは!今回もなにかあったんですか?」
松本の問いに終始なごやかな空気が流れる
お互いに機材やチャンネルの話をする
どこか場違いな華やいだ空間が一瞬流れた
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