第3話 冒険者リーナ
二人の前に現れたリーナという女性は、銀色に輝く綺麗な髪をまとめ上げ、真っ赤で妖しげな瞳がきらりと光る。
背中に変わった紋様の入った黒いローブを身に着けており、一見魔法使いに見えたが、ローブの下には近接戦闘に適した動きやすい服を身につけている。
身長こそ、アクスよりも頭二つ分ほど小さいが、鍛えられ引き締まった筋肉は、アクスにも劣らなかった。
アクスが首をかしげ、まじまじとリーナを眺める。
「おまえ子供か?駄目だぞこんなところに一人で来ちゃ、とっとと家に帰ったほうがいいぞ」
その瞬間、周りの冒険者達がざわめく。
周りの反応に気づいたアクスが、不安そうにサリアに視線を合わせる。
すると、握手のつもりだろうか、リーナが満面の笑みで手を差し伸べる。
不意に差し出された手に困惑しつつも、アクスは固く手を握った。
「…私、これでも二十三歳でれっきとした大人なの」
「「えっ!?」」
アクスとリーナは驚きを声に出した。
リーナの顔から笑みが消えた。
「次子供って言ったらただじゃすまないから」
握られたアクスの手が強く握りしめられ、骨のきしむ音が聞こえる。
アクスの悲痛な叫びがギルド内に響く。
リーナの力は凄まじく、アクスが力づくで手を離そうとするも、全く離せかった。
「悪かった!悪かったから!離してくれ!」
必死に謝り続けるアクスの姿を見てリーナも満足したのか、握る力を緩めた。
手を離した瞬間、アクスは赤く腫れ上がった自分の手に冷たい息を吹きかける。
「アクス、腫れを見せてみて」
痛そうにするアクスの姿を見かねて、サリアが治療魔法を唱えた。
「『ラージュ』…どう?痛くない?」
優しい光に包まれると、数秒も経たない内に手が元通りに治った。
「すまねぇ、助かったよ」
「ほらアクス、改めてごめんなさいしなさい」
「ごめんなさい…」
まるで子供をしつける親のようだ。
リーナは鼻をふんと鳴らし、二人を見上げた。
「わかればいいのよ」
「リーナだっけ?改めまして私はサリア=ルフェル。こっちはアクスよ」
「…私はリーナ=ガデンよ」
改めて名乗ったリーナの顔は、どこか暗かった。
「そう、よろしくね」
サリアは、不思議に思いつつも話を始めた。
「ところで私達になんの用かしら」
「結論から言うと、あなたたちのパーティーに入れて欲しいの」
周りの冒険者達の喧騒が大きくなった。
「まじか!あの人が誰かのパーティーに入るなんて」
「なんであんな初心者パーティーなんかに…」
周りの冒険者たちの話に耳を傾けていたリーナは冒険者達をにらみつけ、黙っていろと言わんばかりの様子だった。
鋭い眼光に冒険者たちは怯み、静まりかえった。
「勘違いしないでほしいけど、パーティーに入るからと言ってもあなたたちの下に着くつもりはないわ、あくまでも立場は対等よ」
リーナの言い分にサリアは苦笑いをしていた。
「あはは…なかなか癖の強い人ね」
「おれは別にいいぞ、人に命令するなんて嫌だし」
「話が早くて助かるわ。改めてよろしく…」
すると、再び握手を求めてきたリーナを静止し、サリアは真剣な表情で問い詰めた。
「その前に、私達の目的は知ってる?魔王を倒すことよ?知らなかったら今の内にやめておいたほうがいいわよ」
サリアの問いに、リーナは顔色一つ変えずに答えた。
「もちろん承知よ、私も魔王を倒すのをひとつの目標にしてるから安心して」
「目標のひとつ?他にもなにかあるの?」
「まぁね…」
リーナはそれ以上を語らなかった。
「なんだお前、なんか隠してんのか?」
空気の読めないアクスが、ずけずけと問い詰める。
リーナの眼が鋭く光り、アクスを睨みつける。
サリアが慌てて、アクスの口を手で塞ぐ。
「ほんとごめんね!うちのアクスが失礼な態度とって」
「…それじゃ私はこれで、明日の朝九時にまたここに来てね」
それだけを言い、リーナはその場から立ち去った。
残った二人は、食事を早めに切り上げ宿へと向かった。
ただし、所持金が少ないため相部屋である。
「全く、さっきのは失礼よアクス!」
ベッドの上で座り込みながら、アクスを説教している。
「でもよ、隠し事されると、変な事企んでるんじゃねぇかって思ってつい…」
「それは大丈夫よ、彼女の心の中を少し覗いてみたけど、悪い人じゃないわ」
「えっ!そんなことできるのか!?」
「当然よ!」
下界に降りて、本来の力を発揮できないと言っていたのにこれだけの事が出来るのは、エリートというのも嘘ではないのだろう。
「ところで、リーナの事アクスはどう思う?」
ギルドでの出来事を思い出し、リーナの強さをしみじみと知ったアクスは、神妙な顔つきで話した。
「あいつか?ありゃとてつもなく強えぞ、あんだけ強いのは俺のじいちゃん以来だ」
「そういえばあなた、昔おじいさんに拾われたのよね、その育てのおじいさんは強かったの?」
「そりゃ強かったぞ、なんでも王都の騎士なんとかってのをやってたらしくてな、武術はともかく剣術じゃ全く敵わなかったぞ」
アクスは誇らしげに、自分の育ての親であるおじいさんを語っていた。
「下手すると、あのリーナってやつはもっと強えかもな!」
「ふーん…ちなみに聞きたいんだけど、あなたのおじいちゃんはあなたに常識とか教えてくれたのかしら?」
「簡単なことしか教わってねぇな、俺が五歳の時に病気で死んじまったし、俺勉強嫌いだし。なんでそんな事聞くんだ?」
「なるほど…アクス、今日からあなたには勉強をしてもらうわ」
勉強と聞いたアクスの体が、ぴたりと固まる。
「あなたは物を知らなさすぎるわ、これから毎日私がいろいろ教えてあげるわ」
「勉強は嫌いだって、さっき言ったろ」
アクスは嫌そうな顔で、サリアから顔を逸らす。
サリアがアクスの耳元でささやいた。
「神様に仕える戦士が、勉強ができないなんて思われたら恥ずかしいと思わない?」
「むぅ…確かに…」
「でしょ!だったら大人しく勉強を受けなさい」
サリアの言葉に納得したアクスは、真面目に勉強に取り組んだ。
次の日の朝、夜遅くまで勉強をしていた二人は大きな欠伸をする。
二人は少し早めに冒険者ギルド行き、朝飯を取りながらリーナを待っていた。
そう時間も経たない内に、リーナが冒険者ギルドへやって来た。
「あら二人とも早いわね、それじゃあこれからについて話し合いましょうか」
リーナは二人の向かい側に座り込み話を始めた。
「パーティの活動方針だけど、魔王軍の動きを見て、積極的に幹部を潰していきたいんだけど、どうかしら?」
「ずっと思ってたんだが、魔王がいるところまですぐにいけないのか?」
サリアが首をふった。
「魔王はここから南西に位置する孤島に城を構えているの、普通には行けないわ」
「さらに城の周りには、幹部達が強力な結界をはっていて、行けたとしても突破は難しいわ」
リーナがサリアの説明に割って話してきた。
「だから、魔王軍の幹部ってやつをぶっ飛ばすのか?」
「ええ、そうよ」
魔王城に行くにしてもまずは、幹部達を倒さなければならないそうだ。
たとえ幹部達を倒したとしても、魔王城に行くことが無理だが。
「それで?なにか意見はある?」
アクスとサリアは首を横に振った。
「決まりね。それじゃあ今日はこれでもやりましょうか」
リーナが机の上に置いた依頼書には、ドラゴンの討伐と書かれていた。
「ドラゴン?絵本に出てくる二体の黒龍みたいなやつか?」
「そんな大層なもんじゃないわよ、小型の雑魚よ」
「といっても相手はドラゴンよ、油断したら黒焦げになっちゃうわよ」
サリアの言う通り、ドラゴンはその辺の魔物とは違い一筋縄ではいかない魔物だ。
しかし、リーナにとってはなんでもないのだろう、全く恐れていなかった。
「平気よ、それにこのドラゴンなんだけど、魔王軍の偵察という噂もあるの、倒して損はないわ。報酬も高いしね」
確かに、依頼書には報酬五万ライラと昨日の仕事よりも高い。
「じゃあ早速行きましょうか、十分後に各自町の東門で集合ね」
一足先にリーナは冒険者ギルドから出ていった。
二人は机の上に持ち物を広げ、道具の確認をしていた。
アクスは上機嫌で荷物を整理する。
「ドラゴンかぁ…実際に見るのは初めてだな」
「あのねぇ…さっきも言ったけど、小型と言ってもドラゴンなのよ、油断は禁物よ」
「わかってるさ。でもあれだな、絵本に出てくる黒龍みたいなのと戦ってみてぇな…」
先程からアクスが言っている黒龍とは、絵本に出てくる黒いドラゴンの事だ。
あくまで作り話であるが、邪神が生み出した邪悪な龍、それを倒した勇者のお話しが絵本として書かれているのだ。
「馬鹿なこと言ってないで、さっさと行くわよ」
荷物をまとめた二人は、ギルドを出て町の東門へと向かった。
すでにリーナも着いており、すぐさま三人はドラゴンがいるとされる廃村跡へと向かった。
三人はミルフィの町から東に遠く離れた廃村へと歩いていた。
「ちなみに二人に聞いておきたいんだけど、使える魔法や特殊能力とかあるかしら?」
不意にリーナが二人に聞いてきた。
「えーと…私は回復魔法に補助魔法それから蘇生魔法、他にはいろいろ使えるけど特に得意なのは水と光の魔法かな」
「俺は魔法はまだ使えないけど、魔力で氷や雪を生み出して自由自在に操れるぞ」
アクスの能力を聞いた途端リーナは表情を変え、興味ありげにアクスを見ている。
「へぇ…」
「ちょっと待ちなさいアクス、その能力をフルに使えば今までの戦闘がもっと楽になると思うんだけど、どうして使わなかったの?」
「素手で戦った方が楽しいし…」
アクスの発言に顔を真っ赤に染め、サリアが怒鳴りつける。
「とうとう戦闘狂みたいなこと言ったわね!あなたってどうしてそんなバカなのよ!?」
「ごほん!」
リーナが咳払いをし、二人の話しをさえぎる。
「そういえばリーナの事は聞いてなかったどういう事が出来るんだ?」
リーナが振り返ると、二人の目の前で指先から火を出した。
次に、火を消したかと思うと、水、雷、風など、魔法と同じように出してみせた。
「これが私のできる事、魔力を自由自在に操る事が出来るの。魔法陣も詠唱もなしに使える事が出来るから便利よ」
魔法とは、魔力、魔法陣、そしてそれを操る人がいて発動するものだ。
魔力とは火薬のようなものであり、それを操る人は着火剤のようなものである。
この二つだけでは、術者に危険が及ぶ。そのため、魔法陣で魔力を制御し、安全に魔法を使う事が出来る。
しかし、リーナは魔法陣を作り出さずに魔法と同じ事をしてみせた。
「それって、確かずいぶん昔の魔法技術よね」
「えぇそうよ、古い本に書いてあったのを見て覚えたのよ」
その技術を、リーナは容易く使っているが、会得するのは相当な修練を積まねばならないはずだ。
その事を知っているサリアは、リーナに対し尊敬と期待の目を向ける。
「へぇ~じゃあ、俺の使う氷の技と似た物か」
「どうかしらね…おっと、着いたわよ」
話している間に、廃村にたどり着いた三人は辺りの探索を始めた。
辺りは壊された家の残骸だけが残り、魔物に襲われた凄惨な出来事が目に浮かんでくる。
「ひどいなこりゃ...ここはいつ襲われたんだ?」
「つい最近よ、しかし例のドラゴンの気配はまったく感じないわね」
「もしかしてリーナも気配を感じ取れるの?」
「昔から山にこもってたりいろんな修行してたからねこれくらい当然よ」
経験豊富なリーナ、一体どのような人生を送ってきたのだろうか。
「もちろんあなた達がどれくらい強いのかもわかるわ。…特にサリア」
サリアの体が、びくりと跳ねる。
「いやぁねぇ!私のはそんなに強くないわよ…」
顔から冷や汗をかきながら、必死に誤魔化そうとする。
「いいえ、あんたはこいつとは違う特別な力を隠してる…どうなのかしら?」
胸の辺りを指でなぞりながら、サリアを問い詰める。
言葉に困り、サリアは何も言えなかった。
すると突然、リーナが二人を引っ張り、家の影に隠れた。
「どうしたの!?もしかして魔物?」
「そのとおり魔物よ、数は…百ってとこかしら」
「ようやくお出ましか」
魔物の接近に備え、三人は魔物の動きを隠れて探っていた。
すると廃村の外から魔物の群れがやってきた、その中には赤い鱗のドラゴンもいた。
あれこそが、今回の仕事の目的であるドラゴンだろう。
魔物の群れは荷車を引いており、荷車には大量の荷物が乗せられている。
食料、武器、野営道具などが乗せられている。戦争でもするつもりであろうか。
その様子を見ながら三人はひっそりと話し始めた
「盗品かしら?」
「いや...おそらくあいつらここに拠点を作るつもりね」
荷車に乗せられている荷物から大体の事を予測した。
「例のドラゴンはここの制圧のために送られた先行部隊ってとこね、ほっとく訳にもいかないしさっさと潰すわよ」
「よしじゃあ早速やるか!サリアはそこで隠れてろ!」
そう言い残し、アクスは敵陣に向かって飛び出した。
「ちょっ…!待ちなさいアクス!」
「まったく、せっかちね...」
リーナもそれに続いて飛び出した。
素早い動きでアクスを追い越し、魔物の群れに飛びかかった。
「なんだこいつ!?」
魔物達が気づいたものの既に手遅れで、リーナは近くにいた魔物達の頭を掴み、そのまま握り潰した。
頭が卵のように簡単に割れ、リーナの手が返り血で真っ赤に染まる。
その姿を見た魔物達がざわめき始め、顔は青ざめ身を震え始めた。
「こいつ…!まさか、『紅い悪魔』か!?」
「お前悪魔だったのか!?」
「なわけないでしょ、こいつらが勝手に私の事を悪魔とか言ってるだけよ」
二人が言い争う中、魔物達は少しずつ後退し距離を取ろうとする。
「逃さないわよ!全員血祭りにあげてやる」
逃げようとする魔物達の動きを察知し、逃げる暇も与えず再び飛びかかった。
リーナは目の前にいる魔物を片っ端から殴り倒していった。
その力は凄まじく、大きな魔物であろうと一撃で葬った。
アクスもそれに続き魔物の群れへと突っ込んでいった。
「囲め!囲め!いくら強かろうと所詮は人間だ、一斉にかかれ!」
指揮官らしき魔物が指揮をとると、怯えながらも魔物達は二人へと襲いかかった。
二人は襲いかかってくる魔物を素手だけで次から次へと倒していった。
魔物達も武器を持って、リーナに斬りかかるも。
リーナは武器を片手で容易く受け止め、自分の体から雷を発生させた。
鉄製の武器から電気が体に伝わり、敵は炭のように黒く焦げ、崩れ落ちた。
その威力は魔法と同じ、もしくはそれ以上の力を見せつけた。
今度は敵の魔術師達が、遠距離から魔法による攻撃を放ってきた。
「『レオーシ』!」
二重に連なる水色の魔法陣を描き出し、自身の体よりも大きい氷の塊を何発も撃ち出した。
アクスが腕を上げると、地面から氷の壁が現れ、氷の魔法を防いだ。
「今度はこっちの番だ!」
アクスが上げた腕を振り下ろすと、氷の壁の一部が変形し、氷の刃となり敵に襲いかかった。
氷の刃は矢のような速さで敵の体を貫いた。
そんな二人の戦闘をサリアは物陰からじっと眺めていた。
「アクスもリーナもすごいわね…」
二人の戦いを近くで見ようとこっそり近づこうとしたが、その場から逃げ出そうとしていた魔物に見つかってしまった。
「おっ…おい!そこの女動くな!」
怯えながらも、魔物が武器をサリアの目の前に突き出し、動きを封じようとする。
すると、魔物の頭上に影が落ちる。
なにかと思い、魔物が上を見上げると、それはアクスであった。
悲鳴を上げる暇もなく、飛んできたアクスに魔物は踏み潰された。
「サリア大丈夫か?隠れてろって言ったろ」
「二人の事が心配になってつい...」
二人が安全を確認していると、大きな羽音と共に何かが向かってきた。
先に敵を見つけたサリアが、大きな声で叫ぶ。
「アクス後ろ!ドラゴンよ!」
ドラゴンが二人目掛けて突進してきた。とっさにアクスがサリアを抱え避けたが、突進の威力は凄まじく、アクス達の後ろにあった家が一瞬で崩れ去った。
すぐさま体制を立て直すと、ドラゴンに攻撃を仕掛けようとするが、ドラゴンは空中に逃げ、空に
ドラゴンは大きく息を吸い始めた。
ドラゴンの口の中が、外から取り入れた酸素と自身の体から生み出した炎により、赤く染まっていく。
その様子は、遠く離れた地上からもはっきりと見えていた。
その様子を見ていたリーナが、サリアに向かって命令した。
「サリア、水の魔法!」
「分かったわ!」
察したサリアは、杖の先に二重の水色の魔法陣を展開し魔法を唱えた。
「ジャグルッコ!」
大量の水をドラゴンへ向かって放射した。
それと同時に、ドラゴンが口の中に貯めていた炎の息を吐き出した。
水の魔法と炎の息がぶつかり合った。
炎と水はどちらも勢いが止まらず、互角かと思われたが。
ついに水の魔法が炎の息を打ち破り、ドラゴンに直撃した。
魔法を食らったドラゴンは怯み、体勢を崩した。
その瞬間、リーナが軽々と空に跳び、ドラゴンの頭上を取った。
リーナの右手に紅いオーラが宿り、ドラゴン目掛けて拳を振り下ろした。
「『紅い
その拳はドラゴンの鱗をも容易に貫き、ドラゴンを地面へと叩き落とした。
ドラゴンは体に大きな穴を開けられ、たったの一撃で息絶えた。
「なんてやつだ!逃げろぉぉ!」
あまりの強さに魔物達は一目散に逃げはじめ、魔物達の指揮官が抑えようとするもその勢いは止まらず、魔物達は遠くへと逃げていった。
「二人ともお疲れ、私の思った以上の働きね」
「お前もすごかったな!ドラゴンを一撃で倒しちまうなんて」
戦いを終えた二人はお互いに称賛しあった。
「でもよ、さっきの変な技名はなんだ?言わないと発動しないとかあるのか?」
アクスの問いに、リーナの顔色が変わった。
「は?」
一言しか
「ねぇ!二人とも?ドラゴンの素材切り取るの手伝って?」
その様子を見ていたサリアが、とっさに誤魔化した。
「おう今いく!」
「ふんっ…!」
腑に落ちない様子のリーナであったが、感情を押し殺し、アクス達と共にその日の仕事を終わらせたのだった。
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